スポーツ

大の里に“上げ底”で横綱昇進プラン 八角理事長は「12勝は大きい」と手放しで絶賛、「2場所連続優勝に準ずる成績」の解釈はどんどん拡大

綱取りに期待が集まる大の里(写真/JMPA)

綱取りに期待が集まる大の里(写真/JMPA)

 春場所で3度目となる賜杯を抱いた大の里。来場所は“令和の怪物”が初の綱取りに挑む。横綱昇進となれば師匠の稀勢の里(現・二所ノ関親方)以来の和製横綱誕生となり、早くも相撲協会は昇進に前のめりだが、果たしてそれでいいのか──。

 千秋楽結びの一番で大関・琴櫻を破り、優勝決定戦では12勝3敗で並んだ高安を撃破した大の里には、協会幹部らから“絶賛”の評価がなされた。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「相手を圧倒している。早く(横綱に)上がってほしい」と評し、高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)は「来場所が楽しみ」とコメント。千秋楽翌日の横綱審議委員会でも、新委員長の大島理森氏(元衆議院議員)が「希望が生まれた」と高揚を隠さなかった。

 ただ、土俵内容を見るとそうした評価には疑問が残る。若手親方が言う。

「千秋楽の2番は圧倒的だったが、3敗のうち2敗は若元春と高安という平幕相手の黒星。前に出る相撲は強いが、得意の右を差せないとすぐに引いてしまう負けパターンも露呈した。それでも八角理事長は『12勝は大きい』と手放しで絶賛している。豊昇龍の時のように“上げ底昇進”させるつもりではないか」

“準ずる”の拡大解釈

 2025年の初場所では6日目に横綱・照ノ富士が引退を表明。横綱が“空位”となる危機だったが、12勝3敗での巴戦を制した豊昇龍が横綱に昇進した。

「豊昇龍については横審や審判部に慎重論もあったが、協会は8月に大阪・関西万博巡業、10月にロンドン公演を控えており、興行の目玉となる土俵入りできる横綱が必要という事情があった。最終的には八角理事長の考えもあって高田川審判部長の責任で昇進が理事会に諮られました」(協会関係者)

 だが、豊昇龍は昇進場所で9日目までに4敗を喫して途中休場。新横綱の休場は39年ぶりで“時期尚早だった”との批判も出ており、本来なら大の里にはレベルの高い成績が求められるはずだが、その様子はないという。

「八角理事長が絶賛コメントで、大の里を“自分の勝ち方がある”と強調したところに本音が見える。長く“自分の型がない”と指摘された豊昇龍とは違うと言いたいのでしょう。早く2人目の横綱を誕生させたいという前のめりな姿勢が見えます」(ベテラン記者)

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン