NHK朝ドラ『あんぱん』で主人公の祖母役を務める浅田美代子(公式HPより)
『からくりテレビ』出演で“葛藤”も
女優の傍ら、70年代アイドルとして『赤い風船』を始め多くのヒット曲をもつ浅田は21歳で結婚し、芸能界を引退。6年間の専業主婦時代を経て女優復帰するが、“お茶の間”が抱く彼女のイメージは、1992年から2014年まで出演していた『さんまのSUPERからくりテレビ』(同)での天然な言動の数々だろう。
以前、浅田にインタビューしたところ、同番組への出演は楽しかったし、離婚した可哀想な人というイメージを払拭してくれた明石家さんまや番組スタッフに「感謝している」としながら、「もう女優には戻れない」「シリアスな作品からのオファーは絶対にない」という不安を抱えながら葛藤していた。
そんな浅田の悩みを一発解決してくれたのが親友であり姉であり母のような存在だった樹木希林さんであることは有名な話だ。
2019年に公開された浅田の主演映画『エリカ38』は、樹木希林さんが企画からプロデュース、スポンサー探しにまで東奔西走し、母親役としても出演。希林さんは公開前年に他界し、『モリのいる場所』『万引き家族』『日日是好日』『命みじかし、恋せよ乙女』などと晩年の代表作と共に『エリカ38』は刻まれたのである。
その後、浅田は、「第30回日本映画批評家大賞」で助演女優賞を受賞した『朝が来る』や、『キリエのうた』など話題作に続々出演。見事、「女優」に戻ることができたのだ。
今年1月期には『アンサンブル』(日本テレビ系)で、松村北斗演じる優の”毒親”役が話題を呼んだ。息子の前で数々の悪態をつき、恥をかかせ、ついには致死量に満たない薬を飲んで病院に担ぎ込まれる、まさしく毒親。
ノーメイクで髪もボサボサ、手の甲や首筋のシワをカバーすることなく、年齢にそぐわない色のオーバーサイズのニットセーターを着て、やさぐれた表情でタバコをくゆらせる様子が誰かに似ていると思ったら樹木希林さんだった。
希林さんの教えで、眉をいじらず、“プチ”を含む美容整形も一切せず、ナチュラルに年齢を重ねる浅田美代子。
前述の中園ミホ氏や、映画『あん』や『朝が来る』の河瀨直美監督から愛され、正月には明石家さんまらとオーストラリアへ行き、プライベートではMISIAと仲良しで、動物愛護にも長年尽力しているパワフルなアラウンド古稀。近年は清水ミチコとも親交があり、昨年2月に行われた浅田の芸能生活50周年と誕生日を祝うイベントで、浅田よりも長時間ステージに立ち、盛り上げたのは清水だった。
キャリアと多方面での人脈を生かし、母親役、祖母役もやれる女優として歩み続ける浅田美代子。来年2月で70歳になる「美代ちゃん」の女優としての活躍をもっともっと見てみたい。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。