新経営陣から本当に“日枝色”は消えたのか
ただ、会見や報告書でも述べられた通り、これまで経営幹部の人事は「相談役」として君臨した日枝氏に決定権があるとされてきた。当然、今後の「院政」も懸念される。新経営陣から本当に“日枝色”は消えたのか。
注目は、3月28日の『羽鳥慎一モーニングショー』内で番組コメンテーターの玉川徹氏が発言した内容だ。「日枝氏の側近とされる女性役員が解任されてフジ社員は驚いている」などと語った。ジャーナリストの高堀冬彦氏が語る。
「秘書室出身でパリ支局長や国際局長を歴任した柾谷美奈・取締役です。プロパーでは唯一の女性取締役で、今回セクハラ疑惑が追及されたキャスターの反町理氏と並ぶ日枝氏のお気に入り。“次の社長候補”とまで言われてきた人物。50代とまだ若く彼女は残るだろうと見られていたが、多数の女性役員が新任されるなか解任された事実は大きい」
逆に大抜擢された人物もいる。2018年からフジ執行役員を務め、常務への昇格が決まった若生伸子氏(63)だ。現在は民放各局が共同出資する見逃し配信サービス「TVer」の社長を務めている。
若生氏は1987年にフジテレビ入社後、秘書室からキャリアをスタートさせた。日枝氏との距離感はどのようなものか。
「複数のフジテレビ社員の話では、日枝氏に引き立てられたわけではなく、入社当初から実務能力に長け、堅実に仕事をこなしてきた人、という評判です。6月の株主総会後はフジのナンバー2となる若生氏が次期社長になるのではとの見方が強まっています」(高堀氏)