2024春にYoutubeチャンネル登録者数10万人を超えたTarou
「学習指導要領をカバーしようとは思わない」
——「中学校に通わない」という決断で、最も多く上がった批判は「勉強はどうするのか」というところだと思います。実際のところ、どうなんでしょうか。
母:前提として、中学で学習指導要領で定められている内容をカバーしようとはそもそも思っていません。なぜならば、そこで身につくことがこれからの時代に本当に必要なことなのか、将来に役立つことなのか、というところに私たちが懐疑的だからです。
父:受験をするかしないか、という問題だと思うんです。今のまま6年間過ごしたら、今の制度の5教科7科目ある東大入試に受かることは、難しいかもしれない。でも、6年後の受験システムがどうなっているかはわかりません。全く新しい方式が出てきたり、それが一般的になったりしている可能性もあると思っています。
Tarouはこれまで、自分で興味を持ったことは熱意を持ってできているし、その時期(受験などを考える時期)にも自分がやりたいことって本人の中にあると思うんですよ。もし学力のようなものが必要になっても、自分から学ぶ意欲があればその時になんとかできるんじゃないかと。
母:夫がよく言うのは、「勉強っていうのは人生いつでもできる」ということ。一般的には学校を卒業したら仕事をするから、勉強をする暇がなかなかないけれども、勉強というもの自体は何歳になってもできるものなんです。むしろ興味が芽生えて、自分から必要だと思ったタイミングのほうが身につくし、吸収力もあると。その意味では、Tarouの今の一番の興味関心は、「フォートナイト」の世界大会出場に向いていると。
父:いい大学に入り、新卒で大企業に入ることが目標であれば、受験勉強みたいなことはしたほうがいいと思うんですけど、やはり6年後のシステムはわからないし、私は大学のあと自分で仕事をしていますし。むしろ子どもたちには、システムがどう変わっても対応できる柔軟性を育ててやりたいです。
幸い、Tarouは好奇心が強いタイプで、今の時代はものを知るのに便利なツールもいっぱいある。興味があることに対して、毎日一定時間アタマを使ってAIとでも私たちとでもどんどん会話していってほしいと思います。今は「フォートナイト」への興味と意欲強く、いわゆる勉強的なものに対しては自発的なモチベーションは高くないので、親である私たちが、彼の好奇心を刺激する形での学習の機会をつくれるよう努めています。