参院選 各党議席予測
■和歌山(改選定数1)
「二階vs世耕」のリベンジマッチ。自民党は二階俊博・元幹事長の三男で衆院選で落選した伸康氏を公認したが、公認争いに敗れた前有田市長の望月良男氏も無所属で出馬の構え。望月氏は世耕弘成氏に近いとされる。立憲は新人・村上賀厚氏を擁立する方針だったが、維新との間で和歌山でも予備選を実施して候補一本化する方向だ。混戦模様だが、自民公認で逆風を受ける二階伸康氏には厳しい情勢。望月氏が無所属で出馬すれば優位に立てる。
■宮崎(改選定数1)
立憲が新人の山内佳菜子・県議を擁立。国民民主と連合も支持に回る構えで、立・国・連合の協力態勢ができれば、自民現職・長峯誠氏と横一線の大接戦になりそうだ。
■比例代表
自民党は前回参院選に生稲晃子(東京)、三原じゅん子(神奈川)、今井絵理子(比例)各氏などタレント候補を並べたが、今回は現時点で目玉がいない。「出馬してくれそうなタレントが見当たらない」(自民選対)という嘆きが聞かれる。
代わって今回の自民比例の“目玉候補”に浮上しているのが、石破首相が「強烈な違和感」と語った杉田水脈・元代議士だ。「女性はいくらでもウソをつける」など数々の発言で物議を醸した人物である。
「杉田氏の公認で女性票など逃げる票も多い。それでも比例名簿に登載したのは、“無党派の票はどうせ取れないから、せめて自民離れを起こしている岩盤保守層の票を食い止めたい”という苦肉の策でしょう」(野上氏)
一方の立憲民主党も比例代表の目玉候補に蓮舫氏を擁立するかどうかで大揉め。蓮舫氏は前回(東京選挙区)約67万票を獲得、4位当選したが、昨年の都知事選に敗北後、「また国政に戻るというのは私の中では違う」と国政復帰を否定していた。目玉候補が欲しい野田佳彦・代表は出馬させたいが、立憲の支持労組は「蓮舫に票が集まると労組の組織内候補が不利になる」と反対しているのだ。
「反自民票を国民民主やれいわに食われる立憲も無党派層を取り込めそうにないから、労組票という従来の支持基盤頼みにならざるを得ない。だから揉めている」(同前)
(第3回に続く)
●レポート/野上忠興(政治ジャーナリスト)と本誌・週刊ポスト取材班
※週刊ポスト2025年4月18・25日号