山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
今夏で丸10年を迎える山口組分裂抗争に大きな動きが起きた。4月7日、六代目山口組の幹部が兵庫県警を訪れ、「抗争集結」の意向を示したことがわかったのだ。
「訪れたのは森尾卯太男本部長、津田力若頭補佐、安東美樹若頭補佐の執行部3人です。さらにNo.2高山清司若頭、並びに竹内照明若頭補佐も稲川会がある関東を訪れたと見られている。3月には稲川会が中心となって分裂抗争終結の同意を取り付けるべく全国の暴力団を行脚していました。
とはいえ、神戸山口組の井上邦雄組長は『たとえ1人になっても抗争を続ける』という強い意志を示したこともあったので行き先は不透明だった。そうした背景があるため、今回の突然の“抗争終結宣言”はメディア、警察関係者の間で大きな話題となっている」(実話誌記者)
注目を浴びているのが、六代目山口組が傘下組織に不定期で配布している機関紙『山口組新報』だ。
「『山口組新報』では、神戸山口組側を“謀反者”“不届き者”などと言及してきましたが、『神戸山口組』『絆會』といった組織や個人の名前を挙げることはなく、“分裂”という言葉すら使っていません。それは六代目山口組側が神戸側を組織として認めていないというスタンスを貫いているからです」
今年3月に配布された『山口組新報』の最新号〈第32号〉でも、巻頭言で吉村俊平幹部が〈偉大なる山口組の看板に泥を掛けた不届き者謀反組〉と、言及している。また、この最新号では大幅なリニューアルが図られていて、関係者の間では話題を呼んでいた。