今年創立110周年を迎えた山口組。「山口組新報」にも銀の代紋に金字で記されている
歴代組長写真をAIでカラー化
通常の『山口組新報』は表紙(1枚目)に司組長の近影と直参組長の巻頭言が掲載されているが、最新号では大きく変わっている。銀色の山口組代紋の上に大きく金文字で〈山口組創立百十年〉と書かれ、その下には鶴、亀のイラストに挟まれた司組長の肖像写真が掲載されている。
黒の着物を着用した司組長はうっすら笑みを浮かべ、その背景色は金屏風をイメージしたかのような鮮やかな金色だ。また、司組長の写真の下に、初代の山口春吉から、先代の渡辺芳則五代目まで歴代組長5人の肖像写真が掲載されているのだが、目を惹くのは写真が“カラー”になっていることだ。
「先代の渡辺五代目が組長に就任したのが1989年。そのため渡辺組長と司組長のカラー写真は目にしますが、竹中正久四代目以前のカラー写真はほぼ見たことがない。山口組内部には眠っているのかもしれないが……背景も独特な色合いのため、おそらくモノクロ写真をAIでカラー化したものを掲載したのだろう。
山口組の内部にはこうした最新技術に長けた人材もいると聞いている。そうした人材を抱えられる層の厚さをアピールする狙いもあるのではないか」(同前)
最新号には、ほかにも1月25日の司組長の誕生日祝い、昨年末の餅つきのレポート、飛田新地に関するレポート、さらには古参の直参組長が暴対法を「悪法」と糾弾する寄稿もあり、力の入れようが窺える。
「山口組の分裂は100周年の記念すべき年に起きています。その年の新年会にはメディアを総本部に招いて100周年を祝う大規模な宴を催すなどお祝いムードだったにも関わらず、“分裂”という失態を招いたことに恥を感じる組員も多い。
110周年をことさらアピールするのも、そうしたイメージを払拭したいのでしょう。今回の一方的な“抗争終結宣言”で警察の厳しい規制が即座に解除されることはなく、神戸山口組の井上組長側の反応も未知数だ。110周年イヤーに抗争終結できるのか、強い関心が集まっている」(同前)