守るポジションがない!
昨年、坂本はコンバートされたサードで初めてのゴールデン・グラブ賞を受賞。過去にショートでも5度受賞した名手の守備を阿部監督は高く評価しており、開幕シリーズ後には「(坂本を)自衛隊だと思っていますよ」と口にした。“専守防衛”でも起用するというジョークのようだが、チームの内野では守るポジションもなくなってきた。
定位置だったショートは門脇誠(24)にポジションを奪われ、サードは中山が台頭。
「今の巨人で唯一の固定ポジションである吉川尚輝(30)がいるセカンドへのコンバートはあり得ない。残るファーストは岡本和真(28)や大城卓三(32)といったチームに欠かせない長距離砲がいる」(スポーツ紙デスク)
そもそも、“年俸5億円の守備固め”ではチームの未来につながらない。
2004~2011年に中日監督を務めた落合博満氏(71)は就任2年目の2005年に生え抜きスターでサードを守っていた立浪和義氏(中日前監督、55)からレギュラーを剥奪。そうした非情な決断により8年でリーグ制覇4度という黄金期を築いた。
落合氏と立浪氏も現役時代のチームメイトだったが、阿部監督にも同様の判断が求められると前出・江本氏は指摘する。
「シーズンが始まったばかりで、チームの今後の調子次第のところもあるでしょうが、阿部監督はどこかで“見切る”という判断をしなくてはならなくなる。ファーストへのコンバートとか、代打要員、守備固めにするといった話を飛び越えて、“坂本を使わない”という判断が必要になる時が来るということです」
これまで坂本を「息子以上、弟未満みたいな存在」と語ってきた阿部監督だが、いよいよその坂本に「お疲れ様」と引導を渡す時が来たのではないか。
※週刊ポスト2025年4月18・25日号