女性用トイレには長蛇の列が。その隣を男性が通っていく
代々木公園に“女性の大行列”
「ここには仮設トイレが8つあるんですけど、女性用が2つしか用意されていないんです。だからこんなに列になっていて、さっきは40分近くも待たされましたよ。女性のほうが(用を足すのに)時間かかるってことは、設置する前からわかりきっているはずなのに……。子連れの方もいるので、優先して列を通してあげたりして、譲り合ってはいますが、これはあまりにも不平等じゃないですか」
アルコールが入っていることと、長時間待たされていることも相まってか、取材に対して「ありえない」「男性だけ時間かかんなくてずるい!」などと切羽詰まった声を上げる女性もいた。この仮設トイレは、 JR原宿駅から程近い公園の入り口から、花見スポットである中央広場に向かう道すがらに設置されている。近くには常設トイレもあるが、女性トイレが足りていないことは明らかだ。
トイレの男女比問題は、花見の場に限ったことではない。女子トイレの少なさと行列問題はたびたび話題にのぼる。
2018年には読売新聞が「水に流せない!“女子トイレの行列”問題」記事で公共施設などで女性用トイレに行列ができる背景について報じ、2024年には朝日新聞が「トイレの男女格差」上下2本の記事で、男性用トイレと比べた時の女性用の少なさについて疑問を投げかけている。
そもそも災害避難所の国際基準では、「避難所の女性トイレは男性トイレの3倍必要」とされており、イギリスの王立公衆衛生協会も、2019年に「公衆トイレにおける便器の数の男女比は1:2が適切」とする報告書を公表した。
前出の代々木公園の仮設トイレで、女性の行列を横目に用を足した男性は、申し訳なさそうにこう話した。