フロリダ州の公式サイトには死刑囚の顔写真や執行場所などの写真も掲載されている(米フロリダ州矯正局HPより)
日本の死刑執行は、極端に情報の公開が制限され、執行当日に死刑囚がどのような様子だったのかということは一切明らかにされない。一方、米国では、マスコミ関係者が執行に立ち会うこともあるほど情報公開が進んでおり、フロリダ州の公式サイトには死刑囚の顔写真や執行場所などの写真も掲載されている。新聞も執行当日の死刑囚の様子を事細かに報じている。
AP通信など現地報道によると、タンジ死刑囚は午後6時12分に死亡が確認された。
「3種類の薬物を投与された死刑囚の胸は約3分間激しく動き、止まりました。スタッフが死刑囚の肩をさわりながら彼の名前を大声で2回叫んだところ、まったく反応がなく、後に死亡が確認されたということです」(同前)
タンジ死刑囚は人生最後の日をどう過ごしたのだろうか。彼は執行の12時間以上前、午前4時45分に目を覚ました。
「執行までの数時間前には“スピリチュアルアドバイザー”と会っています。日本で言うところの教誨師でしょう。対話することで、死刑に向かう精神状態を整える役割があります。
“最後の晩餐”は彼の要望で、骨付き豚肉、ベーコン、コーン、アイスクリームにチョコバーなどだったようです。フロリダでは40ドルを超えない範囲で、死刑囚の要望したものが食べられる制度があります。シャワーを浴びる機会も与えられています。