タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、タイで拘束され強制送還された関東連合元メンバーと、経営していた日本食レストランについて。
* * *
タイの首都バンコクで身柄を拘束され、日本に移送、逮捕された関東連合のも元メンバー冨沢こと山口哲哉容疑者。移送途中の警察車両の中で、頭からタオルをかけられ、服がはだけたままメディアの取材に応じる様子が報じられた。
カンボジアを拠点とする特殊詐欺グループのリーダーとみられている山口容疑者だが、“詐欺には関与していたか”と問われると顔を伏せたまま、「本当にしていない」と答え、”特殊詐欺グループの幹部か”という問いかけには「違いますよ」と否定。だが「関係していなくはない」と答えた。幹部ではないが、関与をほのめかすような返答をしたのは、山口容疑者がカンボジアの首都プノンペンにある日本料理店「胡蝶」の実質的オーナーとして、詐欺グループに弁当を出していたからだ。
プノンペンには多くの日本食レストランがあるというが、在住日本人であればだいたいの店を把握していると聞く。そこでカンボジアの旅行代理店で働くT氏に、山口容疑者と日本料理店「胡蝶」について話を聞いた。
「普通の人はあまり行かないと思います」
「このレストランは知ってますよ。急に夜逃げしましたけどね」とT氏。
夜逃げしたのはいつのことか?
「日本人の詐欺グループがカンボジアで拘束された翌日ぐらいだったと思う」。
2023年、プノンペンのアパートにあった特殊詐欺グループの拠点で、日本人20人以上がカンボジア当局に拘束された直後、店は突然閉店したという。有名な店だったのか?
「ここではみんな彼が関東連合で、日本の特殊詐欺に関わっていることなんて知っていました。そういう意味で有名な店でした」