みなさんは<すた丼>をご存知だろうか? イタリア産ホエー豚を、ニンニクたっぷりの秘伝の醤油ダレと絡め、強力な火力で一気に仕上げた丼。一気にかきこめば、鼻に抜けるニンニク醤油の香りが無限に食欲を増進、ガッツリだけど意外とペロリ……な、腹ペコの力強い味方だ。
その歴史は古く、昭和46年。東京都下国立の小さなラーメン屋の店主が、学生が少ないお金でおなかいっぱいになるように…と生み出したメニューが発祥。その意志を引き継いだ二代目社長は、今や全国48カ所に店を構え、全国の腹ペコさんたちの胃袋を温め続けている。
そして今年は創業40周年記念として、大学近隣店舗にて「大学丼」のレシピを公募。多数の応募より選ばれた13種のメニューが、11月14日から店舗&期間限定で食べられるという。
そんなネット情報を見ていたら記者の元に編集のKさんから突然、今見ているサイトのURLとリストがメール送信され、電話が鳴った。
「……で、Kさん。このリストは?
ええ…食べてこい、と。すた丼好きなんで嬉しいなあ!
全部ですか? じゃあ、仙台や京都も行っていいんですよね!
え? 交通費を自腹なら……はあ、それは無理と……わかりました。
で、締切はいつですか?
……11月15ぉぉぉ!?(ブバッ)つーか、明日じゃないですか!」
という鬼っぽいやりとりがあった……結果
「大学丼をどこでもいいから、最低3つは食べて、レポートを書いてね♪(速攻だよ)」
というミッションがこちらに襲いかかっ……いただいた。
3つで許してくださるなんて、神様である。私はしょせんパセリで、おまけで、食べることしか能のない豚さん。やらせていただこうではないか!
そして11月14日の夕方。私は失意のどん底にいた。水道橋店にて「NU丼」を頼もうと思ったら……売り切れていたのだ。販売初日で売り切れとは……まるでiPhoneの新機種を買いに来たような気分である。
食券販売機の前で立ち尽くす暇などない。慌てて近所の、「明治丼」を販売しているお茶の水店に電話をかけるも、こちらも売り切れ。私の大学丼は、そして締切はどうなるのだろう……。
慌てて電話をかけまくり、高田馬場店に早稲田丼がまだあると確認! 高田馬場はさかえ通りにある「高田馬場店」にダッシュし、ついに「早稲田丼(からだバランすた丼)」と対面した。
ノーマルなすた丼は豚肉と長ネギで構成されているが、こちらはネギの代わりに、ニンニクの芽・ニンジン・タケノコ・しめじと具沢山! シャキっと炒めてある。そして卵もノーマルと違い、温玉なのがまた嬉しい。粗挽きのブラックペッパーが全体をキリっとまとめあげていて、栄養だけじゃなく味のバランスもばっちりである。
活発なサークル活動で知られる早稲田大学のお膝元ということで、学業にもサークルにも全力投球な早稲田生の「スタミナだけじゃなくって、栄養もちゃんと取りたいナ★」という気持ちがこのメニューには込められている、そんな気がする。
不安定な現在の日本を憂いているであろう大隈重信先生も、この丼の完成度であればご納得いただけるのではないだろうか……言い過ぎたか。
食べ終わったら、大学丼の特製シールをいただいた。ちなみにこの各大学丼の特製シールのデザインは、「すた丼」の公式Facebookページでも見られる。今回はもちろん早稲田カラーを思わせる、えび茶色。部室のロッカーに貼りたいようなカッコ良さに、ちょっと浮かれる30手前の冬である。
本日はここで打ち止め。さあ、明日で残りの2丼が食べられるのだろうか?(あと、締切は……)