そして部長賞を受賞した失敗、“車体ラインのパーツ供給方法の改善”。
車体組立ラインでは、各取り付けパーツをコンテナに入れて、牽引台車でそれぞれの取り付け場所に定期的に配送する。牽引台車から作業台に重いコンテナを移動するのは、体力を使うと共に危険も伴う。そこで、台車にテコの原理を応用した器具を新たに取り付け、コンテナの入れ替え時の作業ロスと安全性の改善を目指した。
その結果、19kgかかっていたコンテナ入れ替え作業者の負荷は15.5kgまで減少させることができたが、女性による作業も可能にするために目標としていた5.6kgには遠く及ばなかったため、見事(?)に失敗として部長賞を受賞。こちらも失敗をバネとして工夫を重ね、着々と目標へ近づいているという。
「失敗大賞だけでは……という現場の声に応えて、成功を讃える『挑戦大賞』も設定しましたが、私にとって金メダルは『失敗大賞』で、『挑戦大賞』は銀メダル。失敗にこそ胸を張ってほしい。なぜなら失敗はあくまでチャレンジングな途中経過であり、失敗なくして成功はないと信じているからです。開発、生産技術、物流という枠を超えて、ニーズに先回りして提案できる工場の現場力を、失敗と挑戦の積み重ねからさらに大きくしていってほしいと思っています」(圓山工場長)