「布製品のニオイや菌は、“ニオイの元となる汚れを取ること”“ついてしまったニオイを消すこと”“発生してしまった菌を除菌すること”でケアできます。物質的な汚れについては、ふき掃除や掃除機で表面についた汚れを取ってください。表面についてしまったニオイや菌、奥にしみついたニオイや菌については、除菌・消臭スプレーが有効です。
手軽に毎日ケアできる除菌・消臭スプレーは必ず対象物から20~30cm離し、布が“しっとりする”くらいまで、しっかりスプレーをしましょう。布製品に除菌・消臭スプレーをした後は、乾かすことも大切なので、スプレー直後に人が触ってしまうことのない『外出前』や布団以外のアイテムには『就寝前』などが、タイミングとしてオススメです」(藤原さん)
代表的な除菌・消臭スプレー『ファブリーズ』の場合、アイテムごとのスプレー回数は「4畳程度のラグやカーペット」「掃き出し窓用カーテン」「シングル布団やベッドマットレスの両面」が20回、「二人掛けの布製ソファ」15回、「学生服の上着」10回となっている。たまに“やりすぎ? 使いすぎ?”と気になることもあるが、同商品を使用した実験では、スプレー回数が増えるほど抗菌力が上がる結果となったという。
「布製品を使うとどうしてもフケや汗、垢などの汚れといった有機化合物がついてしまい、そういうところには菌が住みやすくなっています。洗って菌を落とせない布製品について、除菌は絶対に必要なケアと言えます。消臭・除菌スプレーによる除菌は、手っ取り早く、理にかなっていると言えますね。また、一度除菌をしても、環境によってまた菌が増えてしまいます。
消臭・除菌スプレーにはアルコールと除菌成分が入っており、使うとアルコールはすぐ飛びますが、除菌成分は残ります。除菌成分の残留効果、積み足しがあるので、除菌の回数が増えるほど、除菌の効果は高まると考えられます。消臭・除菌スプレーは適宜繰り返し使い、こまめに除菌を行うことが重要です」(前出・坂上教授)
さらに坂上教授は、「台所は春先になると、ある程度菌が増えてきます。また、台所は『水まわり』。水があるところでは水に関係する菌も存在します。食品を扱うため、さらに菌は存在しやすく、春の台所は『菌に囲まれている状態』とも言えます」と注意喚起している。