「香港は中国の一部ではない」「香港は独立すべきだ」──。2017年元日、香港中心部で、約1万人参加の民主派勢力のデモが行われた。反中色が強い毎年恒例の元日デモだが、今年の特徴は「本土派」と呼ばれ、「香港独立」を強く主張するグループが初めて参加したことだ。ジャーナリスト・相馬勝氏は香港に飛び、過激な本土派である「香港民族党」の創設メンバーを直撃した。
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インタビューに応じた「香港民族党」の幹部は周浩輝氏。昨年7月に香港公共大学を卒業したばかりで、まだ少年らしいあどけなさが残る23歳。父が香港人、母は中国広東省出身の中国人だが、彼は生粋の香港人だ。
香港の民主化運動に加わったきっかけは「雨傘運動」だった。2014年9月から12月まで約3か月間、学生らが香港中心部の幹線道路を占拠するなどして、中国共産党政権べったりで、民主的選挙制度の実施に消極的な香港政府の姿勢に抗議した。周氏は当時、大学3年生だったが、「クラスメートらと一緒に運動に参加し、3か月間、昼夜分かたず道路に座り込み、最後は警官隊に担ぎ出されて排除された」という闘争経験をもつ。
この運動の中心メンバーで、当時は高校生だった黄之鋒氏は2015年9月、周氏と同じ香港公共大に入学したが、これは雨傘運動で周氏ら同大メンバーと共闘したことが契機となったという。
その後も周氏と黄氏は先輩後輩として、ことあるごとに連絡を取り合っており、周氏が香港民族党を創設すると、黄氏も新党「香港衆志」を設立するなど、「彼とは何でも話せる仲で、民主化運動でも連携し合う関係だ」と周氏は語る。