◆「中国は侵入者だ!」
その香港民族党は昨年3月、9月の香港立法会(議会)議員選挙に間に合うように結成され、主席には運動経験が長い陳浩天氏(26)が就き、周氏は同党ナンバー2の発言人(スポークスマン)に選出された。
党の主張について、周氏は「香港は中国の一部ではなく、『主権国家』の資格を持つべきだという『本土主義』や中国共産党に反対する『反共』、香港人は中華民族とは違うという『香港民族主義』、さらには『香港独立』を掲げている」と説明。
「香港人は中華民族であり、大陸の漢族(中国人)と同じ民族ではないのか」との筆者の質問に、周氏は「香港は1841年に英国領となり、その後、1997年まで156年間、大陸とは違う文化、政治体制をとってきた。香港人は大陸の中国人とは違う。1997年の香港返還後の中国は『侵入者』であり『異星人』と同じだ」と力説する。
党の創設メンバーは数十人だったが、同党が初めて一般民衆の前に姿を現した昨年8月初旬の決起集会には2500人が参加。現在の党員は500人から600人の間で、主に10代から30代と若い層が中心だ。一見すると過激な主張だが、「香港の自立、独立が若い層に支持されている証拠だ」と周氏は強調する。
周氏は正確な党員数を明らかにしなかったが、「私と陳主席以外はほとんどが秘密党員だからだ。なぜならば、党員であることが分かると香港当局による圧力がかかり、職場でも差別される可能性がある。公的な場に出るのは私と陳主席だけだ」と語る。