結婚を夢見ながらも、結婚に惑うアラサー女性。彼女たちは男性に何を求めているのか? 婚活女性たちの結婚の「分岐点」をレポートする本シリーズ、第2弾をお届けする。私はこうして結婚しました、あるいは、できませんでした……。
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◆新婚旅行で、もう一度あの場所に戻りたい
「私の父は、典型的な“外面がいい男”でした。他人には気前がよくて、決してNOと言わなくて、だから会社では出世したんだけど、家庭を犠牲にするタイプ。夏休みの旅行が父の仕事でドタキャン、なんてザラ。『身内なんだからわかってくれるだろ』という言葉を何度聞いたことか。そういう男は絶対いや! と思っていたのに、どういうわけか、私も父と同じタイプの男に出会ってしまったのです」
祥子(しょうこ)さん(36歳)はこの春、和明さん(38歳)と入籍した。30歳を超えてから結婚を意識しはじめ、婚活パーティーに顔を出したり、婚活サイトに登録したりもした。だが、短期間つき合った相手はいたものの結婚には至らず、35歳になっていよいよ焦り始めたころ、友人が開いた合コンで和明さんと出会ったという。
「30歳を超えると合コンはぐっと減るんです。だから、久々に声がかかったときは、キター! って。相手は会計士をしている友人の仕事仲間で、会計士や税理士など士業の方々。年齢にはこだわらないと言っているからと、私にも声をかけてくれたんです」
薬剤師の資格をもつ祥子さんは、大学を卒業後、製薬会社で働いていた。が、上司とそりが合わずストレスが溜まり、5年勤めて退社。現在は都内の薬局に薬剤師として勤務している。仕事は安定しているし、収入も悪くない。しかし刺激は少なく、出会いもない。
「結婚して子育てをしながらするのにはちょうどいい仕事なんですよ。やっぱり私は、結婚しなくちゃいけなかったんです!」
3対3で行われた久々の合コンはすこぶる楽しかった。中でも和明さんが、祥子さんは初めから気になっていたという。
「彼は声が大きくよく笑う人で、自分の話もするし、周囲にも話をどんどん振っていた。屈託のないタイプだな、仕事もできそうだなと、好感を持ちました。
極め付きは、旅行の趣味が合ったこと。私も彼も旅行が大好きなんですが、これまで訪れた中でいちばん印象に残っている場所が同じだった! アメリカのセドナです。聖地と呼ばれる場所が忘れられなくて、もう一度、あの場所に戻るんだ、できれば新婚旅行で──、というエピソードを聞いたとき、人生で初めて運命を感じました。私もまったく一緒だったから」
積極的に和明さんに話しかけ、ラインを交換。ほどなく仕事帰りに二人で食事に出かける関係になった。