「彼は、仕事を持っている女性が良かったそうです。いまは会計事務所にいるけど近い将来に独立したいと。前の彼女は専業主婦願望が強かったから、独立にはリスクがあると反対したそうです。あとは見た目が好きと言われました(笑)」
小柄で小動物系の祥子さんのルックスは、和明さんのど真ん中だったようだ。
◆4回のドタキャン──クズだな、と呆れはしたけど、怒りは湧いてこなかった
数回のデートの後、付き合ってほしいと告白された。OKすると、喜んだ和明さんは、青山の人気レストランのディナーを予約してくれた。“付き合った記念日”を祝おうと。
「嬉しかったですね。付き合ってすぐなので、まだ慎重になるところはありましたが、お互いいい歳だし、結婚までいけるんじゃないか、という予感はありました」
ところが、約束の土曜日の午後、「風邪を引いたので申し訳ないが今日はキャンセルさせてほしい」、というラインが入る。
「えっ! と。残念すぎて、一瞬、めちゃくちゃテンションが下がりました。でも、ここのところ彼は忙しそうだったから、疲れが出たのかなと思い直した。『ぜんぜん大丈夫だよ。それより風邪は大丈夫? お見舞いに行くね』と、恨みがましい言葉はすべてのみこんで、優しくて大人なラインを返しました」
一日寝ていれば回復するからと、和明さんからは、「明日、日曜の夜に会いたい」と連絡が来た。日曜は夕方から美容院に行く予定だったがキャンセルし、「うれしい!」と、返事をした。
しかし、そこから思いもよらなかった和明さんの一面があらわになっていく。