奈良岡:ええ。150年前の日本に生きた実業家たちが日本を飛び出したのも、「もう、これしか生きる道はない」というある種の切迫感の中での必死の行動だったと思います。我々の生きる成熟した今の社会で、彼らのように生きることは簡単ではありません。しかし、その上で客観的な情報を得て、しっかりと物事を考えつつ、彼らの持っていた精神性や気概を取り入れていくとことはできると思います。
●でぐち・はるあき/1948年生まれ。ライフネット生命創業者。立命館アジア太平洋大学学長。近著に『戦前の大金持ち』など。
●ならおか・そうち/1975年生まれ。京都大学大学院法学研究科教授。『対華二十一ヵ条要求とは何だったのか』でサントリー学芸賞受賞。