京都観光回復に向けた対策とは?

 コロナ禍の収束にめどが立たない中、観光再興の特効薬はない。京都市観光協会データ年報(2020)には、こんな記述が見られる。

〈当面は不安定な市場環境が続くと考えられるため、衛生対策を徹底しつつ、近隣地域や若年層など比較的需要が安定している市場からの集客にも取り組む姿勢が求められる〉

 観光公害が解消されつつある中で、感染対策を講じたうえで新たな観光モデルを構築していく絶好の機会なのかもしれない。

嵯峨野の祇王寺(筆者撮影)

嵯峨野の祇王寺(筆者撮影)

 京都市はこのほど「京都観光振興計画2025」を策定した。その中で、コロナ禍の影響と京都観光の回復に向けた方向性について触れ、「徹底した感染症予防・拡大防止対策と観光の両立」「市民生活・地域コミュニティと観光のさらなる調和」という方向性を打ち出している。

 具体的にはどんなことに取り組んでいくのか──。その一端を京都市の観光行政担当者に聞いた。

「コロナ禍前に発生していた混雑や観光客のマナー違反などを発生させないために、時期・時間・場所の3つの分散化や、周辺自治体と連携した広域観光を推進するとともに、ビッグデータなども活用して混雑状況の見える化を図るなどして混雑対策の強化を図ります」

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