「今なお最前線のコント師」を立証
もう1つ重要なポイントは、「松本さん自身が今なお最前線のコント師である」ことの立証。
松本さんは『キングオブコント』や『M-1グランプリ』(朝日放送・テレビ朝日系)の審査員、『IPPONグランプリ』のチェアマンであるほか、『人志松本のすべらない話』『人志松本の酒のツマミになる話』『まっちゃんねる』『まつもtoなかい~マッチングな夜』(フジテレビ系)、『審査委員長・松本人志』(TBS系)などの冠番組を持っています。もちろんダウンタウンとしての活動も含めて、「ご意見番」「プロデューサー」のような役割が通常のポジションと言っていいでしょう。
しかし、松本さんはそんなポジションを務めていながらも、決して「一歩引いて見ている」というスタンスではありません。アドリブのトークで誰よりも笑いを取り、『IPPONグランプリ』では自分のネタも披露するなど、現役バリバリの芸人としての姿を見せ続けているのです。
また、今月3日になんばグランド花月で行われた吉本興業110周年特別講演「伝説の一日」にダウンタウンとして出演し、漫才を披露して称賛を集めたばかり。『キングオブコントの会』でも、現役バリバリのコント王者たちと共演することで、今なお変わらぬコント師としての力を見せてくれるでしょう。
松本さんのコントを見たことがない10代・20代の人々にとっては、単なる「大物芸能人」ではなく、コント師としての実力にふれられる希少な機会。30代以上の人々にとっては、かつて親しんだ松本さんのコントを見られる貴重な機会。漫才を含めても、ネタ系のコンテンツとしては日本一と言っていい豪華さがあるだけに、注目してみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。