伊達は1度目の引退から12年後、2008年に現役復帰した。
「2度目のプロ時代は、一度は世界ランク46位まで上昇するも、その後は思ったように活躍できなかった。アスリートとしての“旬”の大切さを痛感したのです。大坂選手はまだ24才。あまりにももったいないと思っているのでしょう」(別のテニス協会関係者)
伊達はブログで《彼女の持っている力と才能を考えると、オンコートでもっと進化できることがあるからこそ、物足りなさを私は感じた》とも明かしていた。実は伊達と大坂は、プレーをともにしたことがあるという。国際テニスライターの神仁司さんが明かす。
「2015年に岐阜で開催されたカンガルーカップで取材をした際、『一緒に練習した』と伊達さんが話していました。当時、大坂選手は17才。伊達さんは『粗削りだけどパワーがあって、世界レベルのスピードがあるボールが打てる』と、将来の活躍に太鼓判を押していました」
伊達の期待を超えるような活躍で、世界のトップ選手にまで上り詰めた大坂。だが、現状のまま敗退や欠場が続けばランキングがさらに下がり、不利な状況に置かれるという。
「大会でシードがつかなくなると、1回戦から強豪相手と当たってしまい、さらにランキングが下がるという“負のループ”に陥ってしまうかもしれない」(前出・テニス協会関係者)
大坂を除けば、日本女子トップの土居美咲選手(31才)でも世界ランクは106位。日本女子テニス界には世界のトップクラスを狙える選手がいないのが現状だ。
「理事の立場からすれば、伊達さんにとって大坂選手の不調は非常に痛手です。しかしそれ以上に、大坂選手には『低迷したままで終わってほしくない』というのが正直な気持ちでしょう。かつての自分と重なる部分が多い分、大坂選手への思いが強い。それが厳しい意見につながったのだと思います」(神さん)
伊達の“サービス”を、大坂はどう打ち返すのだろうか。
※女性セブン2022年10月13日号