バックパッカーの聖地と呼ばれるタイのカオサンロードにも観光客が戻ってきた。2022年11月(EPA=時事)
トコジラミは本当に怖い。部屋のクロスのちょっと剥がれたところにびっしりとか、古いふすま紙の裏にびっしりとか。大勢で団子になるのが好きな虫なので、そこでまた卵を産み続けて1万匹くらいは平気で増える。
「まずベッドの裏とか狭い隙間の箇所などをチェックしてください。血糞というのですが、黒い粒やシミが無数にあったらトコジラミがいる可能性が高いです。脱皮後の抜け殻が散乱している場合もあります。あとはカーテンの折り目とかポケット(カーテンフックの差し入れ口)ですね」(駆除業者)
死ぬほど痒いから、痒みでメンタルやられます
トコジラミといえば海外、ということでコロナ禍以前まで東南アジア諸国を回っていた30代のバックパッカーにも話を聞いた。
「宿では必ずチェックしますよ。高いとか安いとか関係ないですね。全身刺されて入院した仲間もいます。まず血糞を探します。トコジラミの糞ですね。それが無くても部屋を真っ暗にして、しばらく待ってから懐中電灯とかスマホの明かりでチェックします。モゾモゾと5mmくらいの虫が歩いていたら、もうビンゴですね。外国だともっとデカいのもいます」
しかしそんな状態なら先の駆除業者の話通り、施設中がトコジラミだらけかもしれない。途上国などはすぐにホテルが探せるような場所とも限らない。どうするのか。
「私は基本的に消灯しません。部屋の電気を全部つけて、ベッドにビニールシートを敷いてアイマスクして寝ます。明るいところにはトコジラミは出てこられませんから。よほど腹が空いてたら刺しに来るかもしれませんが、それでベッドバグに刺されたことはないですね」
ベッドバグ(Bed Bug)とはトコジラミの海外での呼び名である。なるほど、電気をつけたまま寝るということか。
「ただ、そういう生活に慣れてるからできるだけで、万人にはおすすめできません。トコジラミに刺されてもなんともない人もいますし、そういうのに強い人は安宿に泊まっても平気だったりします。『プチプチ潰してたよ』なんてあっけらかんと話す猛者もいます。トコジラミが平気な人、刺されにくいんでしょうね。そもそも痒みが起こらない。体質でしょうがアレルギーがないとか羨ましいです。ほんと死ぬほど痒いですから。大げさじゃなく、痒みでメンタルやられます」