前代未聞の実況中継だった。3月31日に参院議員会館で開かれた旧NHK党の記者会見だ。前党首の立花孝志氏と前幹事長の黒川敦彦氏との間で罵倒の応酬が続いたのだ。
立花氏「『130万円ください』ってオレの前で、『立花さん、裁判はやめましょう。僕たちは家族じゃないですか』って言ったの君やで」
黒川氏「あなたも、『オレ、取り付け騒ぎになりそうやねん。もう、これ眠れへんかった。代表権返して』ってウエーンって泣いたじゃない」
立花氏「オレは、君たちを切らなきゃいけないと思って泣いたんや」
こうした罵り合いが続き、黒川氏が、「私はここに並んでいる人たちに国政政党を任せるべきじゃないと思うし、このような状態であれば、私はこの党に解散してほしいと強く思います」と捨て台詞を残して席を立った。
2時間にわたる会見はネットで中継された。
返済義務を負わされた
内紛の発端は立花氏の党首辞任だ。NHK党の参院議員だった「ガーシー」こと東谷義和氏の除名【※注1】が決定的になると、立花氏は3月8日に党首を引責辞任したうえ、党名を「政治家女子48党」に変更、元子役タレントの大津綾香氏が新党首に就任した。
【※注1/ガーシー氏は昨年7月の参院選当選後から国会への欠席を続け、懲罰処分となったものの、求められた陳謝に応じなかったことで除名処分が決まり、議員の資格を失った】
さらに3月22日には立花氏の威力業務妨害罪などで執行猶予付きの有罪が最高裁で確定した【※注2】。
【※注2/立花氏がNHKの受信契約者の情報を不正に取得してインターネット上に拡散させると脅し、NHKの業務を妨害したとして威力業務妨害などの罪に問われた裁判】
そうした中で、旧NHK党への“取り付け騒ぎ”が発生。同党は支持者333人から金利5%の約束で総額約10億4000万円を借入れしているが、債権者の一部が不安を感じて返済を求めていると伝えられている。