不溶性食物繊維はごぼうやもやし、大豆、ひじき、おから、まいたけ、えび、かになどに多く、水溶性食物繊維はオクラ、モロヘイヤ、山いも、なめこ、りんご、大麦、もち麦などに多く含まれる。
「いろいろな種類の野菜をバランスよく、トータルで100g食べると、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が2:1に近い割合で摂れるといわれています。
厚労省が推奨する1日350gの野菜を摂るには、小さめのサラダボウル3つが目安です。食物繊維は、1日20g以上を目標にしてください」(川本さん)
そもそも、現代の日本人は食物繊維が不足しがちだといわれている。過度な糖質制限は、体重こそ一時的に落ちるかもしれないが、デブ菌を増やし、結果的に太りやすい体になってしまいかねない。
「水溶性食物繊維には、玄米などのセルロース、りんごなどの果物のペクチン、ごぼうや玉ねぎなどのイヌリンなど、多くの種類があります」(岩崎さん)
食物繊維は「難消化性デキストリン」などサプリメントや健康食品で補うのも手だが、それよりも食事で摂る方が、小腸で分解されずに大腸まで届きやすく、効果が得やすいという。
「できるだけ多くの種類の野菜や果物、きのこ類を食べてほしい。ヤセ菌を増やすには、食物繊維に加えてビタミンの摂取も欠かせません。
ビタミンB群の一種であるパントテン酸が不足すると腸のぜん動運動が弱まり、糖質や脂質の代謝が悪くなります。また、ビタミンDが不足すると、腸粘膜のバリア機能が弱まる。ミネラルやマグネシウムが足りないと、腸の免疫力が低下し、悪玉菌が増えます」(川本さん)
岩崎さんによれば、大豆のイソフラボン、ぶどうや赤しそのアントシアニン、ケールや小松菜のフラボノイドといった「ファイトケミカル」も、腸内環境を整えるのに役立つという。毎日、いろいろな食材を食べて、適度な運動と規則正しい生活を心がけることが、デブ菌を排出し、ヤセ菌を増やす第一歩なのだ。便秘が改善して悪玉菌が体の外に出れば、相対的に善玉菌が増えて、日和見菌もヤセ菌として働くようになる。