「夜はシャワーで済ませず、湯船につかってください。体が温まると自律神経のバランスが整って寝つきがよくなるほか、睡眠中の腸のぜん動運動が活発になる。腸のためには、37〜39℃ほどのぬるめのお湯に10分ほどつかるのがベストです」(川本さん)

 そして、起床後は朝日をしっかり浴びること。朝日を浴びることで“幸せホルモン”のセロトニンが分泌される。一説によれば、セロトニンの9割は腸でつくられるともいわれている。

 また、少しのカロリー制限や16時間ほどの軽いファスティングをするだけでも、腸内環境は変わる可能性がある。

「体重を落とすだけでもデブ菌が減って、ヤセ菌が増えます。無理なくやせるためには、食事を1日1500kcalほどに抑えること。ただし、糖質は抜かないでください。毎食、おにぎり1個分程度の炭水化物は摂るようにしてください」(岩崎さん・以下同)

 岩崎さんは「意識して生活を変えれば、腸内環境は4日ほどで変化する」と話す。

「実際に体重が減るまでには、1、2か月ほどかかりますが、デブ菌が減ってヤセ菌が増えるのには、それほど時間はかからない。体重に反映されていなくても、腸の中は確実に変わっています。

 毎日食事に気を配るのが難しいという人も、4日に1回は腸にいい食事を心がければ、ヤセ菌を維持することができます」

 腸内環境の良しあしは、便からも見分けることができる。

「便の色が茶色か茶褐色で、バナナのような形状なら、ヤセ菌が多い状態。黒や緑色で、硫黄のような嫌なにおいがするときは、腸内環境が悪くてデブ菌が多い証拠です」(川本さん)

 さらに近年は、自分の腸にどのくらいのヤセ菌がいるのかを調べることもできるようになっている。

「採取した便を郵送することで自分の腸内フローラを調べられるサービスがあります。ただし現在の費用は1万〜2万円ほどで、結果が出るまでには1か月近くかかる場合が多いのです。現在私たちは“ワンコイン・1時間”で、自分が知りたい腸内細菌の割合を調べるサービスを理想とし、開発中です。うまくいけば2024年までには、理想に近いものが実現するかもしれません。ブラウティア菌を体重コントロールや健康に生かす健康食品の研究・開発も、一部のメーカーで進んでいます」(國澤さん)

 國澤さんは「腸内細菌は、私たちの少し先の未来を担っています」と語る。

 腸内細菌は母親の胎内で子供に受け継がれるといわれており、生活をともにしている人は、腸内細菌が似てくるという研究もある。

 デブ菌を減らして、ヤセ菌を増やすことは、あなたと、家族の未来をよくすること。美しさも健康も、みんなで手に入れよう。

※女性セブン2023年5月4日号

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