バラエティ番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)では、MCを務めるお笑いコンビ・オードリーと日向坂46の間に築かれている独特な関係性を垣間見ることができる。例えば、乃木坂46の冠バラエティ番組のMCを務めるバナナマンは“公式お兄ちゃん”と呼ばれているのに対して、日向坂46の場合は、若林正恭が春日俊彰を“公式ド変態”と半ば一方的に呼んでいる。
また、オードリーは収録外では相方や共演者との会話の一切を試みず、日向坂46のメンバーに対しても同様であった。しかし、昨年放送の特番『じゃないとオードリー』(テレビ東京)でのあるドッキリの企画から関係性が変化してきていると『日向坂で会いましょう』ディレクターの関谷司氏は語る。関谷氏に現在のオードリーと日向坂46の信頼関係について訊いた。
聞き手は、『1989年のテレビっ子』『芸能界誕生』などの著書があるてれびのスキマ氏。テレビ番組の制作者にインタビューを行なうシリーズの第4回【前後編の後編。前編から読む】。
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オードリーと日向坂46の関係性は“女子校に男子校の2人が紛れ込んだ”イメージ
『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)でもっとも特徴的なのは、オードリーの存在だろう。
アイドル番組を作る際、バラエティ番組に不慣れなアイドルをサポートするために芸人がMCにつくことが多い。たとえば、乃木坂46による『乃木坂って、どこ?』、『乃木坂工事中』(ともにテレビ東京)のMCを歴任したバナナマンは彼女たちの“公式お兄ちゃん”と呼ばれているし、『アイドリング!!!』(フジテレビ)で教師のように厳しくバラエティの技術や精神を叩き込んだバカリズムと番組出身の朝日奈央らの絆は現在でも揺るぎない。
だが、オードリーの立ち位置は、他のこうしたMCとは少し違う。「教える」というような上の立場を取らず、彼女たちと同じ目線に立って一緒に楽しんでいるように見える。演出を担当する関谷司はこう語る。
「どっちかって言うと、同級生くらいの感じで始まった気はしましたね。もちろん一定の壁はありましたけど。僕としては“公式お兄ちゃん”と思ったことはないし、本人たちが“公式ド変態”といえばそうなんだろうし、定義はないですからね。精神年齢が一緒で遊んでいるみたいな感覚。本当に“女子校に男子校の2人が紛れ込んだ”みたいなイメージ。
ただ最近はふたりとも子供が生まれたからか、ちょっとだけ変わってきた気がします。優しくなりましたね。春日さんが空き時間もメンバーと喋るようにもなってフォローが増えた気がします」