関谷Dが日向坂46メンバーに伝えたいこと
「ぶりっ子」や「盛ってる」など本来ネガティブな意味合いの強いフレーズを肯定的に企画に仕込んでいるのもこの番組の大きな特徴のひとつだ。
「『ぶりっ子』は柿崎芽実さんと宮田愛萌さんがやっていたんですよね。フリースタイルバトルが流行ってたから、ぶりっ子フリースタイルバトルっていって2人でやってみようって、あとはオードリーさん任せでやりました。
それで相撲対決とかになったときも、突然ぶりっ子をやって緊張と緩和で爆笑が生まれた。それでぶりっ子がボケとして成立するってことがメンバーもわかってどんどん発展していったって感じですね。
卒業の時ってこっちから笑いに振り切ることができないからバラエティ番組的には一番難しいんですけど、柿崎さんは勘がいいから自分からぶりっ子で笑いを生んで素晴らしかったですね」
日向坂46のメンバーは関谷の古巣である『内村さまぁ~ず』に芸人以外では初めて出演した。
「嬉しさはもちろんありましたけど、『内さま』のファンからしてみたら芸人だけ出してほしいっていう人もいたと思うんで難しいなとも思いました。けど、やっぱり内村さんとさまぁ~ずさんに知ってもらえるっていうのはありがたかったですね。
三村さんはいまだに『キャプテンとみーぱん、いいな』って言ってくれる(笑)。『大喜利が得意なアイドル』って紹介されて、メンバーは鋭いから『好きなだけ』って訂正してちゃんとハードルを下げる感覚はやっぱりスゴいですよね」
そんなメンバーの将来について聞くと関谷は「幸せになって欲しい」と娘を見るような口ぶりで言った。
「卒業を促しているように聞こえてしまうかもしれないから言い方は難しいですけど、アイドルをずっとできるわけじゃないから、本当にやりたいことを見つけてほしいですね。バラエティが好きならバラエティの道に進めばいいし、俳優になりたければそっちを目指せばいい。若いうちに色々なものに挑戦して、その中から自分に合うものを見つけてほしい。それがアイドルを続けることだってもちろんいいし。そういう挑戦をこの番組でやってくれたらいいなと思います。ここではいくらでも失敗していいので」
(了。前編から読む)
【プロフィール】関谷司(せきや・つかさ)/『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)ディレクター。99年にケイマックス入社後、『「ぷ」っすま』、『内村プロデュース』(ともにテレビ朝日系列)でアシスタントディレクターを務め、のちに配信番組『内村さまぁ~ず』のディレクターを務めた。
◆取材・文 てれびのスキマ/1978年生まれ。ライター。戸部田誠の名義での著書に『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『タモリ学』(イーストプレス)、『芸能界誕生』(新潮新書)、『史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記1980-1989』(双葉社)など。