開幕から1か月以上が経ち、各チームの明暗が分かれつつある。セ・リーグは3年目を迎えた三浦大輔監督率いるDeNAが貯金9で首位を快走。3年ぶりのV奪回を目指す原辰徳監督の巨人は借金4の5位に沈んでおり、早くもDeNAに6.5ゲーム差をつけられる苦しい展開になっている(記録は5月10日現在)。
過去にも巨人が開幕から不振に陥った年はある。プロ野球担当記者が語る。
「1992年の藤田元司監督時代、開幕から4番の原辰徳、エースの桑田真澄が不振で序盤は最下位争いをしていました。しかし、6月に原が復活してからチームは10連勝、4連勝、7連勝と息を吹き返し、首位に躍り出た。最終的には2位に終わりましたが、ファンが優勝の期待を抱けるシーズンでした。
しかし、今年はそんな上昇カーブを描けそうにない。当時は桑田に加え、斎藤雅樹、槙原寛己の3本柱がいて、投手力には定評があった。現状の投手陣を見ると、勝ちを計算できるのは戸郷翔征ぐらい。故障中の菅野智之を除けば、他の投手は1年間ローテーションを守った経験がない。ただでさえ若手が伸び悩む巨人で、いきなり3本柱級の先発陣が誕生するとは思えない。とはいえ、打線で打ち勝つには限界がある。今年は一度も優勝争いをできずに終わる可能性すらあると思います」
原監督は3年契約の2年目になる。しかし、2年連続Bクラスになれば辞任は免れないのではないか。というのも、今まで巨人で2年連続Bクラスを経験した監督はいない。チームとしても堀内恒夫監督の2005年、原監督の2006年に一度あるだけ。そのためか、4月の段階からメディアでは次期監督の話題が絶えない。
「序盤戦から巨人の来季の監督人事が話題に上るのは、かなり珍しい。最終的に5位に低迷した2005年の堀内恒夫監督時代、終盤になると“阪神の星野仙一シニアディレクターが巨人の監督に就任するのではないか”と毎日のように騒がれていましたが、4月や5月の段階ではまだ次の監督についての報道はほとんどなかった。前述の1992年には藤田監督の途中休養が取り沙汰されたことはあった。しかし、次期監督の話題が頻繁に出ていたわけではなかった。今年は、巨人にとって異例のシーズンと言えます」(前出・プロ野球担当記者・以下同)