原辰徳監督(右)と阿部慎之助ヘッドコーチ(写真/共同通信社)

原辰徳監督(右)と阿部慎之助ヘッドコーチ(写真/共同通信社)

「阿部監督の前に桑田監督が見たい」

 WBCで世界一になった侍ジャパンの栗山英樹監督、2連覇を果たしたヤクルトの高津臣吾監督のように、昨今は選手に寄り添う指導者が結果を残している。逆に、選手に厳しく当たる印象の中日の立浪和義監督は結果を出しているとは言い難い。

「阿部コーチの言動からは、昭和の厳しい指導者を善とする考え方も感じ取れる。もちろん、彼も今の時代、それでは選手が付いてこないとはわかっています。昭和のやり方だけではいけないというような発言も度々していますが、昭和の良さを強調する言葉も目立つ。言外に今の選手への不満が感じられます。そこら辺がファンの不安を生んでいるのかもしれません」

 阿部監督の待望論が出てこない理由は、他にもあるという。

「1981年入団の原辰徳から2001年入団の阿部慎之助への移行は年代が飛び過ぎている。やはりその前に1986年入団の桑田真澄や1993年入団の松井秀喜が指揮を取る姿を見てみたい。阿部監督はその後でも十分ではないかと考えるファンは少なくないでしょう。

 今年、桑田さんは55歳、松井さんは49歳、阿部さんは44歳です。たとえば桑田さんが監督になった場合、その野球理論がどこまで通用するのか、見てみたい。選手に寄り添う桑田さんは現代に合った指導者とも考えられる。今年Bクラスになった場合、一軍コーチから新監督が誕生するのは、違和感がある。チーム低迷の責任を取るべき立場でもありますからね。そういう意味では桑田ファーム総監督の一軍監督昇格もあり得る話だと思います」

 シーズン序盤から監督人事の話題を持ち出されるほど低迷している巨人。周囲を黙らせるような勝ち星を積み重ねられるか。

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