その番組は1972年から1986年にわたって放送された『オールスター家族対抗歌合戦』。主に萩本欽一さんが司会を務め、芸能人や一般人が家族で出演して合唱やトークを披露する人気番組でした。現在50代以上なら大半の人が記憶にある日曜夜の定番であり、今回の『オールスター合唱バトル』は「新たな歌の祭典が開幕!」と掲げながらも、フジテレビ日曜ゴールデンのDNAを感じさせるものなのです。
そんな昔の話を……と思うかもしれませんが、『オールスター合唱バトル』は決してフジテレビの懐古主義で企画されたものではありません。その根拠となるのが、1年前から日曜ゴールデンで放送されている『千鳥の鬼レンチャン』「サビだけカラオケ」の実績。同番組はコア層の視聴率が好調であり、「フジテレビ日曜ゴールデンの歌バラエティは見てもらえる」という裏付けとなっているのです。
『オールスター合唱バトル』は、第1弾がそれなりの結果を残せたら、定期特番化の可能性を秘めているのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。