確かに、あとは進学や進級のたびにTwitterのアカウントを作り直す、いわゆる「転生」アカウントなどもあったかもしれない。恥ずかしい黒歴史のアカウントも普通は削除するが、事情があって放置している場合もあるだろう。
「大半の一般人は実名とか、実名に紐づくような世間に名の通った芸名やペンネームというわけじゃないですから、そういう作りたい放題、やりたい放題の末に放置されっぱなしのアカウントが15年間で溜まりに溜まってる、マスクとしては「いい加減にお掃除したい」って感じなんでしょうね」
SNSで「数は力」は否定できない
Twitter社を買収したX社のオーナーで米電気自動車(EV)メーカー、テスラCEOのイーロン・マスクは休眠アカウント(本稿では「非アクティブ」とする)の削除の目的を「(使われないアカウントによって)使えなかったアカウントの名前を開放するため」とし、それによって「フォロワーは減るだろう」としている。
「古参ユーザーに顕著な「昔からの溜まりに溜まったフォロワー」がごっそり減る可能性が高い。フォロワーが多くても、あくまで先に始めたからこそフォロワーがそれなりに多いというユーザーというのもいます。フォロワーがそれなりにいるのに反応が少ないユーザーは古参に多いんです。私もそうです。人気があるわけじゃなく、相互フォローがいまより活発だっただけなので」
フォロワーの数字にはなっているが、ただフォローのアカウントが存在しているだけ、そういう非アクティブなアカウントもこれまでは「フォロワー」だったということか。
「そういうのが減るでしょうね。減っても気にしなければいいだけですが、気にする人は一定数いるでしょうね。一般ユーザーでも承認欲求オバケはいますから」
フォロワーの多い、少ないは「戦闘力」とも例えられることがある。
「10年とかTwitterやってフォロワー稼いで、現在もアクティブな人というか、ヘビーユーザーでフォロワーの数を気にしない人なんて、本音のところはいないでしょう」
Twitterは使い方によっては「ツイ廃」と呼ばれる日常生活どころか人生にまで支障をきたすことが古く話題となったことがある。Twitter10年選手でいまもアクティブなアカウントの中にはそうした人もいるかもしれない。またフォロワーの数が多少なりとも発言力の担保になることは一利一害とはいえ否定できない。Twitterに限らず「数は力」は絶対ではないが、「数は力」であることもまた事実である。
「芸能人や文化人のフォロワーも人によってはごっそり減るでしょう。かつて何かの話題で「時の人」で有名になった人とか、昔は人気があったけどいまは微妙、みたいな人だとその当時、別垢でフォローしてそのまんま放置とか、その後に別垢作って放置とか、Twitterやめちゃって放置とか、そういう非アクティブな放置アカウントがフォロワーの多数を占めている状態の人は厳しい現実をつきつけられるのでしょう。おっしゃる通り、SNSで『数は力』は否定できませんから」
その「数は力」の最たるものがインフルエンサーだろう。