マイアミで行われたカンファレンスで基調講演「Twitter 2.0: 会話からパートナーシップへ」を終えたイーロン・マスク氏。腕に抱いているのは10人いると言われる子供のうち2020年生まれの息子X AE A-XIIくん(AFP=時事)

マイアミで行われたカンファレンスで基調講演「Twitter 2.0: 会話からパートナーシップへ」を終えたイーロン・マスク氏。腕に抱いているのは10人いると言われる子供のうち2020年生まれの息子X AE A-XIIくん(AFP=時事)

「新規のアクティブなフォロワー稼ぎに苦戦していたその手の「Twitterで商売」の連中は戦々恐々じゃないですか。単純に減るのも困るでしょうし、はっきり言って「フォロワーを買ってる」連中もいるわけで」

 これに関しては先にも書いた通り、筆者が以前『Twitter閲覧数可視化で有名アカウントが沈黙や消去 E・マスク氏の改革をどう見るべきか』で取り上げたが、インプレッション数の公開によって実際に数万、数十万のフォロワーを持つインフルエンサーのツイートのインプレッション数が数千、ひどいと数百という事態が露呈し、界隈でちょっとした話題となった。

「その人たちが買っていたかどうかはわかりませんが、多くがフォローだけしてミュート(相手のツイートが知らされなくなる)という人はもちろん、フォロワーが多そうに見えて、古くから積み重なった非アクティブなアカウントの山だった、ということかもしれません」

 そういうインフルエンサーの中には、今回のマスクの改革でフォロワー数がごっそり減る人もいるかもしれない。

「買ったフォロワーに至ってはほとんどが非アクティブなはずです。壊滅的に減るでしょうね」

フォロワーと金、それがTwitterをおかしくした

 芸能人や文化人、専門家、政治家など、それなりにSNS外でも世に知られた有名インフルエンサーはともかく、一般の情報商材や副業のビジネスアカウントなどでも数万のフォロワーが表示されているアカウントもある。

「そういうアカウントって毎日うんちくを偉そうにツイートしているでしょう。いつもどこかで見たような文面で、プロフィール欄はたいがい縦線で区切った根拠ない目標とかサクセスストーリーを箇条書きで並べてたりする。フォロワーが1万とかあるのにツイートにはファボ(いわゆる「いいね」のハートマーク)が1つとか2つ、インプレッションも2桁とか3桁、まあ1万人がミュートしているのか知りませんが、その手は(フォロワーを)買ってます。それなりにファボがついてても、よく見れば同じような文面の情報商材や副業の『自称コンサルタント』のお仲間だったりね。そういうのはごっそり減るどころかアカウントの出直しになる可能性があります」

 彼の個人的な意見は強いがそういう実態もあるのだろう。かく言う彼もネットのグレーゾーンを使って商売をしている。そういう人たちにとって、いわゆるマスクのようなそのシステム上では「神」である運営者には逆らえないし、マスクがそうするなら従う、そして再び新たなグレーゾーンを突いてマネタイズする、Twitterに限らず匿名掲示板やブログの時代からその繰り返しだ。

 以前、彼が言っていた「影響力と金儲けのための誘引、宣伝のためなら有名無名関係なく、なんでもするってことですよ」もまたインターネットの歴史ということか。

 いっぽうで、趣味アカウントとしてTwitterを活用している40代のWEBクリエイターはインプレッション数の可視化のときと同様、「気にすることはない」と語る。

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