●雷恐怖症
稲妻の光を目にしたり、雷鳴を聞いたりすることで強い恐怖心を感じ、心拍数の上昇や発汗、身震い、吐き気、突然の尿意、パニック発作などに見舞われる状態のこと。安心させてくれる他者がいると症状が軽減する一方、ひとりでいると症状が悪化する側面も。
人間だけでなく、犬や猫など動物にも見られるのが特徴。アメリカでは動物恐怖症、高所恐怖症に次いで3番目に多い恐怖症で、三大恐怖症のひとつといわれる。
●対人恐怖症
他人を前にすると緊張や不安が生じ、不快感を与えるのではと恐怖を感じて、コミュニケーションをシャットダウンしてしまう症状。
具体的には人前で顔が赤くなる、他人の視線が怖い、自然な笑顔ができない、自分を過度に醜いと感じてしまう、手がふるえる、電話をかける・取るが怖いといった症状が挙げられる。
軽度であればあがり症とも呼ばれ、大人になるにつれ自然と治ることも多いが、重度になるとひきこもりを伴うなどして、社会生活が困難に。
また、他人の目を相対的な基準とする「恥の文化」を持つ日本人に特に多い症状で、海外でもそのまま「Taijinkyofusho」と呼ばれている。
中学時代、趣味のイラストを罵倒されて対人恐怖症になった中川翔子(38才)。吉田照美(72才)は話せない自分を変えたくて早大アナウンス研究会に入ったそう。
●集合体恐怖症
小さな穴や斑点、隆起物などの集合体に対して、説明しがたい不快感や嫌悪、恐怖を感じる症状。斑点模様に恐怖心を抱くのは、ヒョウモンダコのような危険生物や皮膚病の感染源を回避しようとする本能的なメカニズムといわれている。
米国精神医学会では、恐怖症としての認知はされていないものの、世間からの関心は高く、成人の約16%に集合体恐怖症が認められたという報告も。
カマキリの孵化シーンを見て以来苦手という北斗晶(55才)。平野紫耀(26才)はライブ中ぎっしりの客席を意識せず、ファンを1人ずつ見て恐怖心を抑えるそう。
●広場恐怖症
特定の場所で強い恐怖や不安を感じ、その場所を避けるようになって6か月以上持続している状態を指す。
パニック障害を併発する人が多く、「ここでパニック発作が出たら逃れられない」と感じる場所や状況が恐怖対象になりやすい。広場に限らず、閉鎖空間や公共交通機関、ひとりでいる状況などでも恐怖は誘発される。