●会食恐怖症
人前で食事をすることに対して、強い不安感や恐怖を抱く症状のこと。緊張が高まると吐き気やめまい、胃痛、動悸、ふるえ、ものを飲み込めなくなる嚥下障害、顔面蒼白などパニック状態に陥り、食事どころではなくなる。
重度の場合は、食事の場面を想像するだけで発症することもある。
会食を避けて生活することで、人間関係やビジネスシーンに支障をきたすという弊害も。学校や家庭での行きすぎた完食指導が引き金になることが多い。
●不潔恐怖症
自分や自分の持ち物が汚染されることに恐怖を覚える症状のこと。単なるきれい好きとは異なり、強迫観念にも似た不潔への不安感を持ち、自分の手や体を何度洗っても気が済まなかったり、トイレのたびに服を着替えたりして日常生活に支障を及ぼすことも少なくない。
また、自分以外を不潔とみなす傾向があるため、「病気がうつる」と他人の持ち物に触れることを避けたり、他人の咳やくしゃみを必要以上に嫌がって対人関係を悪化させることもある。
●コロナ恐怖症
新型コロナウイルス感染症に対して、過剰に恐怖を抱いている状態を指す。状況に応じてできる範囲の感染対策をするのではなく、感染を恐れて一歩も外に出ない、他人が触った可能性のあるものは触らないといった、日常生活を強く制限しているのが特徴。恐怖心から感染者への偏見や差別につながる例も。いわずもがな、コロナ禍で生まれた新しい恐怖症だ。
取材・文/辻本幸路
※女性セブン2023年6月8日号