ライフ

高所、閉所、先端、集合体、コロナ、対人…“恐怖症”とは何か「危機管理能力が過剰に機能している状態」

(APF時事)

ジョニー・デップにも恐怖症が(APF時事)

 ジョニー・デップ(59才)は「ピエロ」が、ジェニファー・アニストン(54才)は「水」と「広場」が、スカーレット・ヨハンソン(38才)は「鳥」が、ニコール・キッドマン(55才)は「蝶」が、ケンダル・ジェンナー(27才)は「集合体」が、そしてサスペンス映画の巨匠・ヒッチコック(80才)は「卵」が恐ろしくてたまらないと公言している。海外セレブには一風変わった恐怖症に悩まされている人が少なくない。

 そもそも恐怖症とは、

《そう感じることが無意味であると思いながら、特定の事物や状況に対して強い不安や恐怖を感じる神経症》(小学館デジタル大辞泉より)

 を指す。スルーできる人がいる一方で、なぜ過敏に反応する人がいるのだろうか。

 これまで1万人の脳を診てきた脳内科医の加藤俊徳さんは言う。

「ヒトは、得体の知れないものや理解のできないものに恐怖心を抱きます。生存本能として真っ当な反応です。

 しかし、多くは成長するに従い、恐怖対象への知識や経験を得ていくので、『〜とは、こういうものだ』と予想がつき、恐怖を上回る認識へ上書きされていきます。逆に、恐怖を上回るだけの知識や経験が積まれなければ、恐怖を感じたときの記憶が反芻され、恐怖心は肥大化していってしまいます。

 恐怖症を持つかたは、そうした危機管理能力が特定の物事を対象に過剰に機能している状態といえるでしょう」

 多くは幼少期や思春期の嫌な思い出から恐怖症に発展することが多いが、逆のケースもあるという。

「幼少期は高所に登ること自体ワクワクできたのが、何度も登るとその気持ちが薄れ、高所は危険だという本能的な認知に切り替わる。私自身、30代になって高所恐怖症がひどくなりました。こうした認知の切り替わりは何才でも起こり得ることで、珍しいことではありません」(加藤さん・以下同)

 脳科学の見地からすると、恐怖症の人の脳は、恐怖の対象はさまざまでも、感性や社会性に関する「感情系脳番地」が活発化されている状態。そしてその怖いという感情は連鎖する傾向にあるという。

「得体の知れないウイルスへの恐怖が強く蔓延したコロナ禍は、さまざまな恐怖症につながりやすかったと考えられます。とはいえ、アフターコロナの生活に恐れを感じるかたもいるでしょう。不安に煽られすぎず、正しい理解と地道な治療が望ましいですね」

 米国精神医学会の診断基準では、恐怖症は500種類以上あるとも。そこで主要なものを一部ピックアップ。理解を深めよう!

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト