タイタニック号観光のみならず、近年、深海ツアービジネスが過熱している。2020年にはアメリカ企業が、世界で最も深いマリアナ海溝への潜水艇ツアーを宣伝した。道林氏が続ける。
「日本では厳しい安全比率が求められていて、実際に潜る深さの約1.5倍までは間違いなく耐えられるというテスト結果が出なければ潜水船として認められない。諸外国は1.25倍程度だが、タイタンはそのテストも怠っていたのではないか。世界基準の厳格なルール作りが必要です」
タイタンの悲劇を繰り返してはならない。
※週刊ポスト2023年7月14日号