「1勝2敗でええんよ」発言は必要だったか
不安があるとすれば、岡田監督の発言だという。
「8月15日から上位の広島、DeNAと続く6連戦を前に『1勝2敗、1勝2敗でええんよ』と言った。すると、広島戦は本当に1勝2敗に終わった。交流戦明けのDeNA戦を前にした時も、1つは勝っておきたいと控えめな発言をすると、横浜スタジアムで3連敗した。終わった後に『1勝2敗は計算通り』と言う分にはいいのですが、戦前から『1勝2敗でええんよ』と話さなくてもいいのかなと思います」
1992年、阪神は亀山努、新庄剛志の亀新フィーバーや仲田幸司、湯舟敏郎などの強力投手陣を擁して躍進。終盤の9月19日、2位・巨人に3ゲーム、3位ヤクルトに3.5差をつけて首位に立っていた。13試合の長期ロードを前にした中村勝広監督が「甲子園に大きなお土産を持って帰りたい」と発言。優勝争いを経験していなかったレギュラー陣は固くなったのか、野村克也監督のヤクルトに逆転優勝を許した。
「岡田監督は選手に余計なプレッシャーを与えないために『1勝2敗でええんよ』と言っていると思いますし、長いペナントレースを考えた上での言葉なのでしょう。ただ、選手は監督の発言に敏感ですからね。その辺は十分わかっているとは思いますが」
選手に優勝を意識させないため、“アレ”という言葉を使う岡田監督。残り2ヶ月、どんな発言で選手を鼓舞していくか。