「認知症ではない」場合
むしろ問題なのは、認知症などが原因ではなく、無駄な買い物をするケースでしょう。実は私の母も、一時期買い物依存症のようになったことがありました。当時は我が家の通信教育事業がたいへん儲かっており、母には月に200万円もの給料を渡していたのです。
給料を受け取った母はデパートに行き、頻繁に買い物をしました。相手は接客のプロですから、たとえ高額な買い物をしなくても、丁寧・親切に対応してくれます。つまり、チヤホヤしてくれるわけです。
普段チヤホヤされていない人は、当然、気分が良くなり、「もっとチヤホヤされたい」と思っても不思議はありません。そう考えると、私の母のケースは買い物依存というより、チヤホヤされ依存とも言えます。親御さんが買い物をやめない場合、この点は見極めなくてはいけません。
客としてチヤホヤされたくて、つい余計に買ってしまう可能性があるということです。あるいは、そのものをたくさん持っていることで得られる安心感が欲しいのかもしれません。
現代は、昔と違って宵っぱりの高齢者が増えています。しかし、深夜の地上波のテレビ番組は若者向けのお笑いバラエティばかり。深夜まで起きている高齢者が楽しめるような番組はあまり見当たりません。
一方、民放BS各局では、通販番組を深夜も流しています。深夜まで起きているが観るテレビ番組もなく暇を持て余した高齢者が、BSの通販番組を観て買い物することに快感を覚えるケースは少なくないだろう、と想像できます。