国内

日本の情報機関は「公安調査庁」「公安警察」「内閣情報調査室」など5つ それぞれの監視対象と役割

別班が仕入れた情報はどのように扱われるのか(時事通信フォト)

別班が仕入れた情報はどのように扱われるのか(時事通信フォト)

『VIVANT』(TBS系)で話題になった「別班」は、非公然組織ながら「自衛隊に別班は実在する」と報じられてきた。1978年、日本で初めて別班の組織図や構成員の実名を記した『影の軍隊「日本の黒幕」自衛隊秘密グループの巻』(『赤旗』)が発刊され、物議を呼んだ経緯がある。

 また、2008年には、陸幕第二部長(情報部長)を務めた塚本勝一氏が『自衛隊の情報戦 陸幕第二部長の回想』(草思社)のなかで、陸自の調査学校で情報分野に興味を示した10数名の要員が、情報収集活動を行なうために陸幕二部の統率下にある部隊に臨時として派遣勤務させられたことなどを記している。

 存在が公に認められていない「別班」を除くと、日本の情報機関は大きく分けて5つある。

 内閣官房内にある「内閣情報調査室」、法務省の外局である「公安調査庁」、警察庁警備局が統括する「公安・外事警察」、防衛省・自衛隊の「情報本部」、外務省の「国際情報統括官組織」だ。

 それら情報機関の位置付けや役割はどうなっているのか。『日本インテリジェンス史』(中公新書)などの著書がある小谷賢・日本大学教授が言う。

「各省庁が行なう情報活動の手法には、公開情報を調査・分析する『オシント』、電波情報の収集を行なう『シギント』、人との接触により情報を得る『ヒューミント』がある。そのヒューミントを得意とするのが、約1600人を擁する公安調査庁(公調)です。

 法務省の外局ですが、警察のような逮捕権は与えられていません。元々は日本国内で共産党を監視する目的で作られた組織で、その後は地下鉄サリン事件(1995年)などを起こしたオウム真理教などを監視対象としている。国家国民の安全を脅かす組織・団体を調査する役割です」

東京五輪で各国工作員を監視

 公調は旧オウム真理教の監視・規制のほか、国内の過激派などを調査対象とする「調査第一部」、海外テロ組織に加え、ロシアや北朝鮮、中国などの大使館を含めた海外情報を収集・監視する「調査第二部」がある。

 冷戦時代は、この調査第二部が中ソをはじめとする共産圏のスパイ監視などに力を発揮した。

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン