上皇后美智子さまが89才を迎えられた。24才で皇室に入られてから、65回目のお誕生日である。民間出身で初めて皇太子妃、皇后のお役目を果たされた美智子さまの歩みと、雅子さまの境遇はどこか重なる。いま、雅子さまが美智子さまに伝えられたい思いとは──。
天皇皇后両陛下の御料車が、上皇ご夫妻のお住まいである仙洞御所(東京・元赤坂)の正門前に差し掛かったのは、10月20日午前11時を過ぎた頃。
「雅子さまは長年愛用されているライトブルーのドレスと帽子をお召しになっていました。陛下とお姿が重ならないようにお体の位置を工夫して、奉迎の人たちに向けてにこやかに手を振られていました」(皇室記者)
その日は上皇后美智子さまの89才のお誕生日で、天皇家の長女の愛子さまや、秋篠宮ご一家をはじめ、皇族方がお祝いに駆けつけられた。
「コロナ感染などのリスクが考慮され、ご夕餐は行われませんでした。お祝い御膳は、上皇ご夫妻おふたりで召し上がられたそうです。
とはいえ、お誕生日当日に皇室のみなさまから直接ご挨拶をされる機会は4年ぶり。美智子さまにとって喜ばしいことだったのではないでしょうか」(前出・皇室記者)
両陛下が帰路に就かれたのは、午前11時50分だった。集まった人々の熱意に呼応するかのように、御料車はかなりスピードを落として走行した。
「雅子さまはいつにも増して柔和な表情で、お顔の高さに手を上げられて、小刻みにお手振りをされていました。
雅子さまの溌剌としたご様子に、美智子さまも安心されたに違いありません。雅子さまにとっても、美智子さまとお顔を合わせて話された45分間は、感謝の念のあふれる、感慨深い時間だったでしょう」(前出・皇室記者)
美智子さまにとって“救い”となっている雅子さまの復調
美智子さまは依然として体調の不安が拭えない状態だという。お誕生日に際して明かされた近況のなかでも《午後に少し熱が上がるご症状は3年以上続いていますが、今もその傾向がおありで、心不全の診断指標であるBNP値は、現在も正常を超える数値が続いています》と言及があった。
「肩から指先までのしびれに悩まれていたこともあり、ご趣味だったピアノは、もうほとんど弾くことができないそうです。
また、美智子さまは補聴器を使用されていますが、耳の聞こえづらさも増しており、上皇さまとのコミュニケーションに苦慮されることがあるといいます」(宮内庁関係者)
日常動作においてもつらそうなご様子を見せられることがあるという。
「立ち上がられたり、歩かれたりといった動作がスムーズにいかないことがあり、上皇さまが『大丈夫?』としきりに声をかけられる場面が以前よりも増えました」(前出・宮内庁関係者)
そのような状態の美智子さまに追い打ちをかけるように降って湧いたのが、美智子さまに対する誹謗中傷がSNS上で看過できないほどに大きくなっているという報道だ。
「外出する際にかぶられる帽子の形が揶揄され、『皿婆(さらばあ)』という隠語で呼ばれているなどというショッキングな内容でした。
ご体調不安と誹謗中傷が重なり、美智子さまが落ち込まれることがないといいのですが……」(前出・宮内庁関係者)
“満身創痍”の美智子さまにとって、ひとつの救いといえるのが雅子さまの復調だろう。 「雅子さまは今年6月、インドネシアを訪れられました。国際親善のための海外訪問は、21年ぶりでした。
さらに、10月15日の石川県ご訪問では、搭乗予定の飛行機に不具合が判明し、別の機体を使われたため、ご到着が1時間半ほど遅れるというハプニングがありましたが、調整を行い、予定時間通りに開会式に出席されました。想定外の事態にも柔軟に対応できるほど、余裕が出てこられたのではないでしょうか。
美智子さまは、雅子さまのご体調を長らく気にかけてこられましたから、皇后として活躍されているお姿を見て誰よりも安堵されていることでしょう」(前出・宮内庁関係者)