16個のくるみぼたんが特徴的(2002年12月、東京・千代田区。写真/JMPA)

16個のくるみぼたんが特徴的(2002年12月、東京・千代田区。写真/JMPA)

 一方で雅子さまには、美智子さまの築き上げられた“平成流”を尊重したいというお気持ちもあるようだ。

「上皇ご夫妻が御代がわり後も一般参賀に出席されるかどうか、宮内庁内にはさまざまな意見があったそうですが、両陛下の“ぜひご出席いただきたい”という思いもあり、ご出席に至ったそうです。

 新しいやり方について模索されることもあるようです。たとえば、新年のビデオメッセージは、令和皇室の新しい試みでした。“令和流”を打ち出すことに、雅子さまは平成の皇室を蔑ろにすることにはならないかと、苦悶されたと聞いています」(別の宮内庁関係者)

 今回、美智子さまのお誕生日のお祝いに際して選ばれたドレスにも、雅子さまのお気持ちが垣間見える。

 バラの地紋をあしらったライトブルーのドレスとハットは、2002年を皮切りに、過去に何度も一般参賀でもお召しになっていたデザインのものだ。上質なシルクの光沢は、光の当たり方によって多彩な輝きを放つ。襟の折り方やブローチの位置をアレンジし、雅子さまは繰り返しこのデザインを楽しまれてきた。

「雅子さまは皇室に入られてから、長く苦しみのなかに身を置かれていました。このドレスは、そういった雅子さまの歴史とともにあるのです。特徴的なデザインですから、美智子さまも、もちろんご存じでしょう。

 現在、美智子さまはご自身の体調不安や誹謗中傷、上皇さまのご体調など、さまざまな困難に向き合われており苦境にあるといっていい。雅子さまには、ご自身の難しい時期を支え続けてくださった美智子さまを“今度は自分が支えたい”という報恩のお気持ちがあるのではないでしょうか」(前出・別の宮内庁関係者)

 民間出身の皇后としての矜持と覚悟は、美智子さまから雅子さまへ受け継がれていく。

※女性セブン2023年11月9日号

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