ビジネス

北陸新幹線が延伸した敦賀駅 乗換問題だけでなく「東西自由通路なし」も今後の課題

2024年4月16日、上島豊敏駅長と俳優の中条あやみさんが出発を合図し、東京に向かう一番列車「かがやき502号」は定刻通り午前6時11分に発車した(時事通信フォト)

2024年4月16日、敦賀駅では上島豊敏駅長と俳優の中条あやみさんが出発を合図し、東京に向かう一番列車「かがやき502号」は定刻通り午前6時11分に発車した(時事通信フォト)

 JR新宿駅に東西自由通路が完成したのは2020年7月のこと。それまで、東口から西口、西口から東口へと移動するには、甲州街道まで出てぐるっと大回りするか、1927年に完成した天井が低い角筈ガードまたは地下街へ潜ってメトロプロムナードを利用するしかなかったが、東西自由通路ができたことで格段に便が良くなった。駅によって行き来がしづらくなる不具合が、北陸新幹線延伸で沸く福井県・敦賀駅で生じている。ライターの小川裕夫氏が、敦賀駅で現地を歩き、自由通路が設置されなかったことで起きていることをレポートする。

 * * *
 2024年3月16日、北陸新幹線が石川県の金沢駅から福井県の敦賀駅まで延伸開業した。

 久々の延伸開業という話題性や、福井県は今回の開業でようやく新幹線が走り始めるということもあって終着駅となる敦賀駅は大いに注目が集まっている。

 福井県を含む北陸地方は歴史的にも大阪・京都、名古屋などの関西・東海地方との結びつきが強く、鉄路はこれまで大阪からは特急「サンダーバード」、名古屋からは特急「しらさぎ」が運行されて北陸と関西・東海を結んできた。

 しかし、2015年に北陸新幹線が金沢駅まで延伸するとサンダーバードやしらさぎの運行区間は短縮。今回の北陸新幹線の延伸開業で、再びサンダーバードとしらさぎの運行区間が敦賀駅まで短縮された。

 東京方面から北陸地方へと交通利便性は飛躍的に向上した一方で、経済・産業・観光といった部分で結びつきの強かった関西・東海地方との往来は不便になる。北陸新幹線フィーバーで活況を呈している間は、そうしたマイナス要因は気にならないかもしれない。

 しかし、落ち着きを取り戻す頃に、それらの影響は少しずつ表面化していくことが予想される。

 なによりも、今回の延伸開業によるフィーバーでかき消されているが、北陸新幹線のメリットを最大限に享受していると思われている敦賀市でも北陸新幹線開業に関連する問題をいくつか抱えている。そのひとつが、敦賀駅における北陸新幹線と在来線との乗り継ぎ問題だ。

遠い在来線と新幹線のホーム

 北陸新幹線の開業と同時に北陸本線の敦賀駅―大聖寺駅間は第3セクターのハピラインふくいへと移管された。北陸本線とハピラインふくいは、敦賀駅付近で地上線を走っている。他方、北陸新幹線の敦賀駅は高架線という構造になっている。そのため、1階にある在来線ホームから2階乗換改札を通過して3階にある新幹線ホームへ、逆もまた同じように延々と移動しなければならない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える\"心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン