ライフ

開館50周年を迎えた迎賓館赤坂離宮の構造材には鉄道レールが使われている

迎賓館本館は2009年に国宝に指定。前庭にはキッチンカーが並び、紅茶やコーヒー、スコーンを楽しみながら建物を愛でることもできる

迎賓館本館は2009年に国宝に指定。前庭にはキッチンカーが並び、紅茶やコーヒー、スコーンを楽しみながら建物を愛でることもできる

 東京にある現在の迎賓館の建物は、1909年に東宮御所として建設され、1974年に「外国賓客に対する迎賓施設」、迎賓館になった。2009年に明治以降の文化財としては初めて国宝となった迎賓館赤坂離宮は、その構造材にも日本の歴史を反映したものが残されていた。ライターの小川裕夫氏が、鉄道の歴史も反映している迎賓館赤坂離宮と、鉄道と美術の交わりについてレポートする。

 * * *
 東京都港区に所在する迎賓館赤坂離宮は、2024月4月11日に開館50周年を迎えた。記念すべき節目を迎え、迎賓館は約1年間にわたって特別事業を実施する。

 迎賓館の本館は1909年に東宮御所として誕生。明治期は欧米諸国に追いつき追い越せの気持ちが強く、西洋の宮殿を彷彿とさせる意匠で設計された。迎賓館を設計した片山東熊は、工部大学校(現・東京大学工学部)の一期生としてイギリスから来日したお雇い外国人のジョサイア・コンドルに学んでいる。師匠の影響も迎賓館のデザインには大きく反映されていると言っていいだろう。

 戦後、迎賓館は政府に移管。一時期は国会図書館としても使用されたこともある。しかし、1974年以降に迎賓館として甦った。

 そんな由緒ある迎賓館は、それまで賓客との接遇に使うことが目的とされた。そのため、一般参観を認めていなかった。それまでは一般人は迎賓館の建物どころか庭園にすら足を踏み入れることすら叶わなかったのだ。

 そうした迎賓館の方針は、第2次安倍内閣が発足したことで転換する。迎賓館の歴史的・文化的価値に着目した菅義偉官房長官(当時)は、就任直後から「我が国は観光立国を目指しているのだから、多くの国民が迎賓館に接することができない状況は大きな損失だ」と考え、接遇に支障がない期間において施設を一般公開するように指示。準備が整った2018年から、一般参観を開始した。

迎賓館の構造材はどこから

 長い歴史を刻んできた迎賓館の本館は、1909年に誕生したが当然ながら歳月とともに老朽化した。政府は1968年に建築家の村野藤吾に昭和の大改修を担当させている。それと同時に、日本風の接遇をするべく和風別館も新設した。こちらは、建築家の谷口吉郎が設計している。

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン