──オーディションに向けて、役作りをされたんですね。
初演のドキュメンタリー映像を見たんですけど、ジョンさんが「声優さんのマネをするのはやめてほしい」みたいなことをおっしゃっていたんです。ぼくは再現度も大事かなと思うタイプなんですけど、そのドキュメンタリーを思い出して、映画に寄せすぎても良くないんじゃないかな……と思ったので、そこを大切にしながら演じました。オーディションでは、対応力を見られているのかなと思ったので、あとはジョンさんに指摘されたことをまっすぐにやることを意識しました。
──では次の質問です。「3月はLIVEでのあっちゃんと帝劇公演でのハク様と全然違う顔が見られてファンとしては嬉しい限りですが、あっちゃん自身は重なってしまって、さぞかし大変だったと思います。それぞれのお仕事への気持ちや頭の切り替えはどうやってしていますか?」。
正直、切り替えがいちばん難しいんですよね。帝国劇場公演中の出来事でいうと、公演が終わった後で、GENICのDance Performance Videoの撮影があったんです。
──4月にGENICさんのYouTubeで順次、公開されていた動画ですね。
はい。舞台が壮大なので、移動中の車内でもカーテンコールの余韻にまだ浸っている状態なんです。そのままのテンションで次の仕事に向かうと支障が出そうなので、少しの時間でもいいから車内で寝ることで切り替えるようにしていました。
──寝ることで、スイッチを一度オフにしてリセットするんですね。
それがいちばんスッキリしました!
──たしかに、『千と千尋の神隠し』は観劇する側もすごいエネルギーを受け取るので、見終わった後、すぐに舞台の世界から現実に戻るのは難しい感覚がありました。演者であれば、なおさらすぐに切り替えるのは大変そうですね。
はい。頭の切り替えがいちばん難しいですね。心ここにあらず……みたいになってしまうと、(現実で)しっくりきていないような感覚になってしまうので。
──では次の質問です。「観劇した際、特に“声”がハクのイメージにぴったりだなと思ったのですが、声の高さや出し方、シーンごとの使い分けで何か意識されていることはありますか?」。
ハクとして、少年らしさの味付けとなる要素が声だと思うんです。ぼくは声が高く聞こえやすい声質なんですよね。だから特別意識しているわけではないんですけど、ちょっと高めの自分が出しやすい音で話していると思います。あと、使い分けで言うと、働いている仕事モードのハクと千尋と2人きりのときのハクの違いは、特に意識しています。