「江戸時代に生まれていたらもっと人気が出たんじゃないかな」

「江戸時代に生まれていたらもっと人気が出たんじゃないかな」

小泉さんとの2ショットにグッときて涙した

 白石和彌監督(49才)の映画はもともと大好きでいろんな作品を見てきましたけど、先に映画『凪待ち』で組んだのは(香取)慎吾ちゃん(47才)。ご存じのように彼はものすごく人見知りなんだけど、白石監督とはSNSに一緒に写った画像をアップしたり、いつも仲よさそうにしていたので不思議に感じて聞いてみたの。

 そうしたら、「すごく優しいし頭のいい人だ」と慎吾ちゃんが監督に心を開いているのがよくわかって。ぼくも監督とは最初から距離を感じずにいい関係が築けたんだと慎吾ちゃんには感謝しています。

 とにかく監督はすべてにこだわりが強いんです。碁盤を上から撮る画だとか、指先のアップだとか、めちゃくちゃこだわっていらして、激しい画も冷静かつ客観的に撮るから見るかたたちが「美しい」と感じるんですよね。

 監督とは同い年なんで、好きなものも似ているんです。ぼくが最近カメラにハマり始めたら監督もカメラが好きだとおっしゃって。実は今回、(斎藤)工くん(42才)との回想シーンはご自分のフィルムカメラで昔のトーンの画を撮ってるんで、ライカの話などでもずいぶん盛り上がりましたね。

 ストーリーは殺伐としているんだけど、撮影現場では本当に楽しく過ごすことができました。今回、白石監督と一緒に組めたことは本当に刺激になったし、すごく満足できる作品が完成したなと思っています。

 キャストの皆さんも本当に豪華。たとえばぼくの娘役の清原果耶さん(22才)は今回初めての共演だったんですけど、あの年齢とは思えないほど大人で、役の上でもぼくが演じた格之進のお母さんのような感じもあって。

 清原さんから「今日はふかし芋だけですよ」と言われたら、「あ、はい……」と納得するしかない。本当はぼくが引っ張っていかないといけないんですけど、本当にいろいろな細かいところにまで行き届くかたで、ずいぶん甘えさせてもらいました。ぼくは永遠の“少年”なのでね(苦笑)。

 小泉今日子さん(58才)も頼もしかったし、役柄が素顔のキョンキョンとソックリなカッコイイ役なんですよ。

 実はぼく、隠れキョンキョンファンなんで、映画の完成披露舞台挨拶つきの先行上映会でも、すごいテンションが上がっちゃってね(笑い)。バラエティーや歌番組を除けば、共演はドラマ『まだ恋は始まらない』(1995 年・フジテレビ系)以来だったんで、『碁盤斬り』の中の小泉さんとの2ショットのシーンでは『まだ恋は〜』での映像が重なって見えちゃって、グッときて涙しちゃいましたね。

 市村(正親)さん(75才)や工くん、そして國村(隼)さん(68才)など交流のあるかたと共演できて、お話が進んでいくにつれて皆さんがぼくのことを押し上げてくれているような感覚になって……この作品でぼくは多くの皆さんからご褒美をもらったようで、その意味でもこれまで自分がやってきたことを認めることができたし、満足もしています。

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