東京・両国の国技館で行なわれている大相撲5月場所。外国人観光客や修学旅行生も多く詰めかけ、連日“満員御礼”が続いている。2月の理事選を経た新体制になって初の東京での本場所だが、館内は大きく様変わりした。それは、相撲協会内の“権力争い”の結果でもあるというのだ。
館内を歩くと、新たに大相撲クレーンゲームが登場し、大相撲ガチャガチャ、大相撲ネームシール、力士の缶バッチ、等身大パネルなど変わった趣向のものが多く見られる。加えて最近は、飲食店もひと昔まえとは違う。カフェや寿司処があり、肉処として牛串やホットドッグなどが販売され、外国人観光客をターゲットにしているとみられる。
NHK大相撲中継2日目に八角理事長(元横綱・北勝海)が「大リーグを視察してきましたが、球場の中より外のほうがファンサービスしている。国技館も外で楽しんでもらって、中に入ったら江戸時代から続く厳かな相撲が行われているようなのが理想」とインタビューで答えており、土俵と座席のある場内からトビラを出たところにある売店などのコンテンツを充実させる流れのようだ。
そうしたなかで、“消えた店”もある。スイーツ好きで知られる芝田山親方(元横綱・大乃国)がプロデュースした「スイーツ親方の店」だ。東京場所限定で、1階正面右側の壁前に“スイーツパン”を販売する店を開いていたが、そこが大相撲ガチャガチャのコーナーに変わった。協会関係者が言う。
「もともと、コロナ感染拡大の影響で入場者が制限されて館内飲食もできなくなった際に、当時広報部にいた高崎親方(元幕内・金開山)の発案で、芝田山親方ブランドの“スイーツパン”を販売してはどうかという話になり、2021年5月場所からスタートした。芝田山親方も売り場に顔を出し、平日は180個、土日は300個の限定販売をしたところ、連日完売という大人気企画となった」