尾車親方は2012年から5期10年にわたり協会理事を務め、八角執行部ではナンバー2の事業部長も経験。定年後も影響力は大きいとされてきただけに、衝撃が広がっている。前出の中堅親方が言う。
「宮城野親方を徹底的に厳しく処分しようと動いたのが尾車親方と今春から協会ナンバー2となった春日野親方(元関脇・栃乃和歌)。宮城野親方がスタンドプレーで世論を味方にして、理事、理事長へと出世を目論んでいることに警戒心があった。
特に尾車親方は日本出身横綱の理事長にこだわり、最終的には同じ一門の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)を理事長にもっていきたい。本当は、同世代のライバルにあたる宮城野親方を、数年前の貴乃花親方のように退職まで追い込みたかったと言われているほどです」
その尾車親方が協会を去れば宮城野部屋の早期復活の芽が出そうだが、話はそう単純でもない。尾車親方は相撲界を完全には離れず、スポーツ報知の専属評論家としての連載も改題されて続く。
「さらに、NHK中継の専属解説者に転じる可能性も浮上している。現在の専属解説者である北の富士さんは体調を崩して昨年の3月場所から仕事ができず、復帰は厳しい状況。後任に尾車親方が有力視されている。しゃべりも達者で、後任になれば80歳(北の富士は現在82歳)まで安泰です。
また、北の富士さんは退職後も、自身の部屋を丸ごと買った八角理事長を支援。同じ一門の九重親方(元横綱・千代の富士、故人)を潰して八角理事長誕生を後押しした。尾車親方も“第2の北の富士”として、協会内へ影響力を残すつもりでは」(スポーツ紙デスク)