【硬派】政治も国際情勢も徹底的に考え抜いた

新聞では分からないディープな中東情勢と日本の危機。当時、激しい抗争で世界の耳目を集めていたアラブとイスラエルの対立も「GORO」の守備範囲。中東各国の石油埋蔵量や兵器の最新事情を徹底解説した(1975年3月27日号)

新聞では分からないディープな中東情勢と日本の危機。当時、激しい抗争で世界の耳目を集めていたアラブとイスラエルの対立も「GORO」の守備範囲。中東各国の石油埋蔵量や兵器の最新事情を徹底解説した(1975年3月27日号)

『GORO』創刊の1974年は、戦後初のマイナス成長を記録し、三菱重工爆破事件から始まる連続企業爆破など、先行きの見えない緊張感に満ちた年だった。

「私が面白いと思ったのは、どんな時事問題を取り上げても柔軟な姿勢を示していたことです」

 たびたび寄稿していたジャーナリストの田原総一朗氏は、同誌の記事に一目置いていたという。

「例えば、戦争反対は基本姿勢。しかし、リベラルの主張する“自衛隊解体”の立場からは距離を置いた。当時のメディアの中で、こうした柔軟な姿勢をとることができたのは『GORO』以外になかなか見当たりません」

 一方的な意見は読者への受けはいいが、現実を無視したイデオロギーに陥りやすい。『GORO』が貫いた姿勢を、田原氏は高く評価している。

【連載】気鋭の作家陣による連載企画

熱い言葉の数々に若者の心が揺さぶられた。芸能界の舞台裏やステージで感じたことなど、心を動かされたことを赤裸々に綴る武田鉄矢のエッセイ。金八先生とはまた違う、若者への熱いメッセージが込められる(1984年1月1日号)

熱い言葉の数々に若者の心が揺さぶられた。芸能界の舞台裏やステージで感じたことなど、心を動かされたことを赤裸々に綴る武田鉄矢のエッセイ。金八先生とはまた違う、若者への熱いメッセージが込められる(1984年1月1日号)

 連載陣の顔ぶれ、ジャンルも多彩だった。植村直己、竹下景子、清原和博から、劇画マンガを革新的に変えた小池一夫の「ダミー・オスカー」まで、『GORO』の懐の深さを物語る。

 1984年1月1日号から29回にわたり『月曜日通信』を連載した武田鉄矢氏もそのひとりだった。

「私に声がかかったのは、ドラマ『3年B組金八先生』(1979年~)などで芝居をやりだした頃でしたから、歌手ではなく俳優として面白い、と注目してくれたんでしょうね」

 同誌が光を当てるのは、センターで光り輝く人ではなく、どこか影のある人たちだったと武田氏は分析している。

「連載や特集でローカルニュースを積極的に取り上げたのは、日本全体を明るく照らそうという同誌の裏のテーマがあったからではないでしょうか」

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン