「じじい」と呼ばれて
そんなもたいと切っても切れない存在が、小林聡美(59才)だ。小林の出世作となった1988年のドラマ『やっぱり猫が好き』(フジテレビ系)で、もたいが三姉妹の長女・かや乃、小林はしっかり者の三女・きみえを演じた。次女役の室井滋を加えた3人のコミカルなやりとりが話題を呼び、2007年まで約20年も続く人気シリーズになった。
「マンションの一室を舞台にしたアドリブだらけの自由なコメディータッチのドラマとして、同世代の女性たちの心を惹き付けました。最初は深夜帯でしたが続編はゴールデン帯で放送されました。
当時、もたいさんは30代半ばで、小林さんは20代前半。ヒットに恵まれた2人は徐々に『盟友』と呼ばれるほどの仲になっていきました」(芸能関係者)
小林の女優人生には、いつの日も隣にもたいの存在があった。
「年齢は一回り離れていましたが、お互いマイペースなところが妙に波長が合った。いまではそれぞれを“聡ちゃん”“じじい”と、親しみを込めて呼び合っています。
もたいさんは小林さんを『相手を楽にさせてくれる稀有な人』と話し、絶大な信頼を寄せていました。小林さんも『私は末っ子気質で、構われる長女ではなく自分で楽しみたい性格』と語り、ドラマの役が染みついているようでした。もたいさんのお父さんががんになったときには、小林さんは忙しい合間をぬってお見舞いに行ったそうです」(前出・もたいの知人)
もたいが小林の所属事務所に移籍したことで、共演も飛躍的に増えていった。『かもめ食堂』(2006年)、『めがね』(2007年)、『プール』(2009年)、『東京オアシス』(2011年)といった映画、ドラマでは『パンとスープとネコ日和』(2013年、WOWOW)など数えれば切りがない。2008年には『2クール』(日本テレビ系)というドラマ仕立てのトーク番組のメインを2人で務めたこともあった。
小林は今年に入っても女優業が順調だ。59才の誕生日だった5月24日公開の映画『三日月とネコ』に出演。また、今年9月に『団地のふたり』(NHK BS)で小泉今日子(58才)とダブル主演することが発表されたばかりだ。
小林の活躍が目立つほど、芸能関係者の間では、盟友・もたいの不在が、より際立って見えたという。